Apple、「iPhone」と同一デザインの「iPod touch」を発表――タッチ・スクリーンとWi-Fi機能を搭載。現行iPodも大幅に刷新

 米国AppleのCEO、スティーブ・ジョブズ氏は9月5日、サンフランシスコで開催中のスペシャル・イベントで、携帯音楽プレーヤ「iPod」の新製品ラインアップを発表した。中でも注目を集めたのは、タッチ・スクリーン・パネルを採用し、Wi-Fi機能を搭載した「iPod touch」だ。

iPod_touch.jpg
「iPod touch」のデザイン/サイズ/インタフェースは、iPhoneとほぼ同じだ

 iPod touchは、同社の携帯電話「iPhone」から、通話機能だけを除いたようなデバイスだ。重量/サイズはiPhoneとほぼ同じで、マルチ・タッチ式の3.5インチ全面液晶ディスプレイを採用。802.11b/g対応の無線LAN機能を搭載し、Webブラウザ「Safari」を利用してインターネットに接続したり、動画共有サイト「YouTube」にアクセスして、ビデオを再生したりできる。

 iPod touchの価格は、8GBモデルが299ドル(日本販売価格3万6,800円)、16GBモデルが399ドル(同4万8,800円)。発表同日より予約受付を開始し、数週間以内(日本のAppleストアでは9月28日)に、出荷される予定となっている。

 また現行のiPodシリーズも、大幅に刷新された。

 「iPod nano」は、デザインが一新されるとのうわさどおり、横幅が広がって縦幅が短くなった(下写真参照)。旧モデルの液晶ディスプレイは1.5インチだったが、新生iPod nanoは、解像度320×240ピクセルの2インチ・ディスプレイを搭載し、動画再生やミニゲームなどが可能になった。

 新生iPod nanoの価格は、4GBモデルが149ドル(日本販売価格1万7,800円)、8GBモデルが199ドル(同2万3,800円)で、容量の同じ旧モデルからそれぞれ50ドル値下げされた。

iPod_nano_thumb.jpg
旧モデルのiPod nanoと比較すると“ずんぐりむっくり”になった“新生”iPod nano

 クリップ式の「iPod shuffle」は、容量1GBのままで、カラーの変更のみが行われた。価格も据え置きの79ドル(日本販売価格9,800円)で、すでに出荷が開始されている。

 オリジナル・モデルのiPodは「iPod classic」と命名され、アルミ・ボディのメタリックなデザインに変更。80GB/160GBのハードディスクを内蔵し、価格は、80GBが249ドル(日本販売価格2万9,800円)、160GBが349ドル(同4万2,800円)となっている。

 また今回、ジョブズ氏の決まり文句である「さらにもう1つ…(one more thing…)」に続いて紹介されたのは、「iTunes Wi-Fi Music Store(Wi-Fi iTMS)」である。

 これはiPod touchに搭載されているWi-Fi機能を利用し、同社のデジタル楽曲配信サービス「iTunes Music Store(iTMS)」から音楽を購入/ダウンロードできるというものだ。提供される楽曲や価格は、従来のiTMSと同様で、日本を含めた22カ国で、 9月末までにサービスが開始されるという。

 さらに、ジョブズ氏は「iPhone」のファームウェアを今月末までにアップデートし、iPhoneからもWi-Fi iTMSが利用できるようになることを明らかにした。

 なお、AppleはiPhoneの4GBモデルの製造を中止し、8GBモデルの価格を、従来の599ドルから399ドルに値下げすることも発表した。値下げの理由についてジョブズ氏は、「クリスマス・シーズンに向け、消費者がiPhoneを手に入れやすい価格にしたかった」と語っている。

(グレッグ・カイザー/Computerworld オンライン米国版)

米国Apple
http://www.apple.com/

提供:Computerworld.jp