Bugzilla 3.0のリリース――9年ぶりのメジャーバージョンアップ

 Mozillaプロジェクトから先日、各種新機能の追加とコードの最適化が施されたBugzilla 3.0がリリースされた。

 Bugzillaとは、ソフトウェア開発時におけるバグレポートの追跡と管理を行うためのサーバベース型アプリケーションであり、当初はNetscapeの社内だけで使われていたプログラムであったものが、1998年8月になってバージョン2.0がオープンソース形態で公開されたという経緯を有している。このバージョン2.0から今回のバージョン3.0のリリースまでには足かけ9年の月日が流れているが、その間にBugzillaの普及は進み、様々な企業やオープンソース系プロジェクトで採用されるようになった。

 Bugzilla 3.0のリリースノートによると今回のバージョンでは、Apache mod_perlモジュールのサポート、カスタムフィールド、プレプロダクトパーミッション、XML-RPCインタフェース、電子メール経由でのバグの登録と編集など、いくつかの新機能が追加されている。また新バージョンについては、ダウンロード前にデモサイトで試用することもできる。

 気になるBugzilla 2.0から3.0のリリースまでに9年もかかった理由については、Bugzillaの現行メンテナを務めるDave Miller氏のブログに詳しく説明されている。同氏の語るところでは、数年前にBugzilla開発者の1人であるIan Hickson氏がコードを最初から作り直す形でBugzilla 3.0の作成に取り組み始めたとのことだ。そうした活動と並行して、Bugzillaのマイナーバージョンアップについては2.xブランチでリリースされ続けてきた訳である。ところが、そうこうする間に「Hixie版Bugzilla 3における設計目標の多くが、既存コードベースの継続的な開発活動の中で実装されてしまった」というのだ。このようにオリジナルの新規バージョン構想が陳腐化してしまったため、昨年の段階でBugzilla開発陣は今回リリースされたバージョン3.0に関するロードマップを再設定したのであった。

 今回の新バージョンでは長期化したリリースサイクルを活かした入念なテストが施されており、先に挙げた新機能以外にもコードベースの安定化と最適化が行われている。Bugzillaの記述言語に関しては、当初用いられていたTCLからバージョン2.0段階でPerlへの切り替えが行われたという歴史がある。最新リリースも依然としてPerlで記述されてはいるが、Bugzillaのリリースマネージャを務めるMax Kanat-Alexander氏が先日投稿したブログ記事では、現在の環境においてPerlは最適な選択肢ではないという発言がされており、他のプログラミング言語の長所と短所の比較などにも触れられている。

 私がチェックした限りにおいてMozillaプロジェクトで現在使用されているBugzillaはバージョン2.23.4のままであり、バージョン3.0へのアップグレードは行われていなかった。その一方で、次回リリースの安定バージョンBugzilla 3.2に関しては既に開発が進行中とのことだ。

NewsForge.com 原文