Pentaho、自社オープンソースBIツールを次期OpenOfficeに統合――新たなユーザーの獲得を目指し、OpenOfficeコミュニティと協力

 BI(ビジネス・インテリジェンス)ベンダーの米国Pentahoは4月19日、OpenOfficeコミュニティと協力関係を結んだと発表した。Pentahoは、オープンソースのBIツールを次期「OpenOffice.org」に統合することで、同オフィス・スイートのユーザーに自社製品をアピールしたい考えだ。

 OpenOffice.orgは、Microsoftの「Office」に対抗するオープンソースのオフィス・スイートとして知られている。そのルーツは、Sun Microsystemsが 1999年に買収した「StarOffice」にある。Sunは1年後の2000年にOpenOffice.orgプロジェクトを設立、現在も OpenOffice.orgプロジェクトへの主要なコード提供者になっている。

 OpenOffice.orgは、全世界で4,000万人以上のユーザーを抱えているほか、「Red Hat Linux」や「SUSE Linux」、「Ubuntu」など主要なLinuxディストリビューションに搭載されている。

 Pentahoのマーケティング担当バイスプレジデント、ランス・ウォルター氏によると、同社はOpenOfficeコミュニティとの協業に基づき、同社のリポーティング・エンジン「Pentaho Reporting」を、今年下半期に投入される次期OpenOffice.org(バージョン2.3)に統合するという。

 また同氏は、SunとPentahoが1年前から話し合いを持ち、OpenOffice.orgへのBI機能の統合について一緒に検討を続けてきたことを明らかにした。

 Pentahoのリポーティング・エンジンがオフィス・スイートに搭載されるのは、今回が初めてとなる。「Sunが新たに開発したReport Designerと当社のPentaho Reportingとを組み合わせれば、OpenOffice.org Baseデータベースだけではなく、各社のRDBMSや他のソースのコンテンツを含むリポートを容易に作成できる」とウォルター氏は語る。

 Pentahoのリポーティング・エンジンで使用されているBI技術は、同社が2005年12月にオープンソースBIプロジェクト「JFreeReport」を買収した際に手に入れたものだ。Pentahoはその後、ドラッグ&ドロップ対応のリポート設計ツールや、自社BIプラットフォームとの統合機能などを追加するとともに、昨年9月にデータ・マイニング/予測分析プロジェクト「Weka」を買収し、BIスイートを完成させた。

 Pentahoのライバルは、JasperSoftなどのオープンソースBIベンダーや、BI分野の老舗と言えるBusiness Objects、Cognosなどだ。Pentahoとしては、OpenOfficeコミュニティとの協業により、そうしたライバルとの差別化を図りたい考えだ。また、OpenOffice.orgのBI機能を気に入ったユーザーが、Pentahoの有料サポートを利用するようになることを期待している。

 デスクトップ・アプリケーション・スイートは今後、オープンソースや商用製品を問わず、BI機能を搭載するようになるというのが、アナリストの一致した見方だ。ベンタナ・リサーチのCEO兼エグゼクティブ・バイスプレジデント、マーク・スミス氏は、「アプリケーション・スイートにBI機能を組み込むのは理にかなっている。MicrosoftのOffice system 2007にBI機能が追加されたことで、多くの企業ユーザーがBIを必要なコンポーネントと認識するようになった」と語っている。

(チャイナ・マーテンス/IDG News Service ボストン支局)

米国Pentaho
http://www.pentaho.com/
OpenOffice.org
http://www.openoffice.org/

提供:Computerworld.jp