ChangeLog:待望のDebianバージョン4.0が数カ月遅れでリリース(あわせて旧バージョン3.1へのアップデートも公開)

 Debianプロジェクトによってコードネーム“etch”と名付けられ長らく待ちわびられていたDebian 4.0のstableバージョンがついにリリースされた。およそ2年もの期間をかけて開発されたetchには特筆すべき様々な改善が施されているが、Debianのリリースマネージャを務めるAndreas Barth氏によると、いくつかのパッケージについては近日中のアップデートが必要になるだろうとのことだ。

 プレスリリースの説明によると、etchではサポート対象のマイクロプロセッサアーキテクチャとして新たにAMD64およびIntel EM64Tが追加されており、サポートされるアーキテクチャ数は11に達したとのことである。今回のリリースはCD総数21枚という構成であり、18,000点ものソフトウェアがバンドルされている。その中で主なものを挙げると、KDE 3.5、GNOME 2.14、Xfce 4.4、X.Org 7.1、OpenOffice.org 2.0.4a、GIMP 2.2.13、MySQL 5.0.32、GCC 4.1.1、Linuxカーネルバージョン2.6.18、Apache 2.2.3という顔ぶれである。なおMozilla系アプリケーションについては、Mozilla側の著作権とDebian側のソフトウェアディストリビューションに関するガイドラインをめぐる対立があったため、etchに同梱されているのは商標名関連の問題を解消した、Iceweasel、Icedove、Iceapeとなっている(それぞれ、Firefox 2.0.0.3、Mozilla Thunderbird 1.5、Mozilla Seamonkey 1.0.8に対応)。

 Debian 4.0のその他の特長としては、暗号化ソフトウェアの装備、最新版Filesystem Hierarchy Standardバージョン2.3への対応、Linux Standard Baseバージョン3.1に準拠したソフトウェアとの互換性などを挙げることができる。

 なおBarth氏がDebianリリースチームを代表してDebian-devel-announceメーリングリストに投稿したメッセージでは、「いくつかのパッケージについては、安定性面での問題が確認されており、近日中にアップデートを受けることになるでしょう。その中で一番目立つのはカーネル関連の問題であり、解決を先延ばしにされてきた厄介なバグも含まれています」と述べられている。

 今回Debianからは、コードネーム“sarge”が冠せられた旧バージョン3.1のstableリリースに対するアップデートも行われている。もっともリリースの内容は、セキュリティ関係のアップデートおよび、sargeのパッケージに対する些末的なバグフィックスだけだとのことである。

NewsForge.com 原文