Linux Foundation、Linux標準規格「LSB」をアップデート――Linuxアプリの自動テスト用ツールキットもリリース
Linux Foundationは、Open Source Development Labs(OSDL)とFree Standards Group(FSG)が合併して生まれた非営利団体で、今年1月に設立された。同団体は、Windowsに代わる魅力的な選択肢としてLinuxを推進することを目的としており、今回のLSBのアップデートもこの目的に沿ったものと説明している。
Linux Foundationには現在、ITベンダーや大学などおよそ70の企業/組織が加わっている。また、3月に発表された理事会メンバーには、Ubuntu Linuxプロジェクトの創設者であるマーク・シャトルワース氏らが名を連ねている。
2001年に登場したLSBは、FSGが開発したLinux標準規格で、Linuxディストリビューション間の互換性を高め、LSB準拠の各種ディストリビューションで稼働するアプリケーションを開発できるよう設計されている。現在は、Red Hat LinuxやSUSE Linux、Debian、Ubuntu、Mandriva、Xandrosなど主要LinuxディストリビューションのほとんどがLSBに準拠している。
一方、LSBの新版「LSB 3.1」と同時に発表された「LSB Distribution Testkit」は、Linuxプラットフォームに対応する初の自動テスト用ツールキットで、LSBテスティング・フレームワーク開発プロジェクトの最初の成果と言えるものだ。昨年11月にFSGが発表した同プロジェクトは、ロシア科学アカデミーのシステム・プログラミング研究所と共同で進められている。この新しいLSBテスティング・フレームワークのねらいは、アプリケーション互換性とコード開発の結び付きを強めることにある。
Linux Foundationのエグゼクティブ・ディレクターであるジム・ゼムリン氏は、あらかじめ用意された声明の中で、「上流の設計作業を調整し、下流のインプリメンテーションに対応させることができる初のテスティング・フレームワークを開発するため、あらゆる組織が力を合わせている」と述べた。そのうえで同氏は、いかなる標準であれ、それが有効に機能するには、非常に強力で使いやすいテスティング基盤が必要になると付け加えた。
Linux Foundationは9日、「LSB Application Testkit」もリリースした。これは、開発したアプリケーションがLSBに準拠しているかどうかをチェックするためのツールで、独立系ソフトウェア・ベンダー向けとされている。このツールとLSB Distribution Testkit、およびLSB 3.1仕様書は、Linux FoundationのWebサイトからダウンロードできる。
なお、Linux Foundationには先週、新たな企業が加わった。家電、通信、ストレージなどで使われるチップを提供するマーベル・テクノロジー・グループ、携帯電話機ベンダーのNokia、組み込みシステム用仮想化技術のプロバイダーであるバーチャルロジックスの3社だ。これは、さまざまなデバイスでLinuxが使われているという事実を反映している。
(チャイナ・マーテンス/IDG News Service ボストン支局)
Linux Foundation
http://www.linux-foundation.org/
提供:Computerworld.jp