IBM、第3世代のデータ・ウェアハウジング戦略を発表--BIへの取り組みをさらに強化

 米国IBMは3月13日、データ・ウェアハウジングをビジネス・インテリジェンス(BI)に包括的に活用する新戦略「Dynamic Warehousing」を発表した。

 同戦略は、データ・ウェアハウスにあらゆる形式で蓄積されたデータの分析をビジネス・プロセスの中に組み込み、分析結果やイベント予測などをリアルタイムで提示できるようにするというものだ。

 IBMでは同戦略を「第3世代のデータ・ウェアハウジング戦略」と位置づけている。同社によると、第1世代の戦略ではクエリ分析とリポーティング、第2世代ではオンライン分析処理が主軸となっていたという。

 同社のデータ・ウェアハウジング担当ディレクター、マーク・アンドリューズ氏は、「第1/第2世代の戦略は、過去の企業データのみの分析に焦点を当てていた。これに対して第3世代の戦略は、オンデマンドで情報を活用し、業務上の意思決定をリアルタイムで行えるようにするものだ」と語った。

 第3世代戦略の中核となるソフトウェアは、昨年6月に発表された「DB2 9」(開発コード名:Viper)にBI機能を追加した「DB2 Warehouse」の最新版である。

 また、Dynamic Warehousingに合わせて発表されたデータ・マイニング/分析ソフトウェア「IBM OmniFind Analytics Edition(以下、OmniFind Analytics)」も、第3世代戦略で重要な役割を担っている。

 OmniFind Analyticsは、DB2 Warehouseを対象にデータ・マイニングと分析を行うソフトウェアである。同社によると、従来のソフトウェアでは困難とされていたデータ・ウェアハウス内の非構造化データの分析も可能だという。

 なお、この場合の非構造化データとは、コール・センターや現場の技術者が記録した覚書きのようなデータを指す。

 一方、今回アップデートされたDB2 Warehouseは、「IBM Information Server」と連携させてデータの共有やトランスフォーメーションを行ったり、「IBM Rational Data Architect」と組み合わせてデータ・モデリングを実行したりすることも可能だという。

 さらに同日、ハードウェアやストレージ製品をセットにしたデータ・ウェアハウジング・アプライアンス「Balanced Configuration Unit」の中小規模企業向け製品となる「Balanced Warehouse C-Class」も、あわせて発表された。

 同社では、データ・ウェアハウジング・アプライアンスのねらいについて、「構成の簡略化」を挙げる。同社の調査によると、企業が抱えるデータ・ウェアハウス関連のトラブルの約80%は、サーバやストレージの配置ミスが原因だという。

 なお、今回リリースされた新製品は、今月末までに順次出荷される予定だ。

(ヘザー・ヘイブンステイン/Computerworld オンライン米国版)

米国IBM http://www.ibm.com/

提供:Computerworld.jp