「Windows Live OneCare」にOutlook関連の重大なバグ――Outlook／Outlook Expressの電子メールが表示不能に
同社はこの問題の修正プログラムを準備しており、OneCareユーザーに来週配布するとしている。
今回のバグは、6週間前にOneCareのサポート・フォーラムで初めて報告された。OneCareがマルウェアをスキャンしたのち、OutlookとOutlook Expressのデータ・ファイル（それぞれ「.pst」「.dbx」という拡張子のファイル）が削除されたように見えるという。
報告者のケビン・キンプ氏は、Computerworld米国版の質問に対して、電子メールで次のように回答を寄せた。
「Windows Live OneCareのプログラムは定期的な更新後に、私のハードディスク・ドライブをいつものようにスキャンした。その後、Microsoft Outlookを開いたところ、『outlook.pstファイルが見つからない』というメッセージが表示された。このプログラムは私のコンピュータと業務に、これまでに使ったことがあるどのウイルス対策／スパイウェア対策ソフトウェアよりもひどい被害を与えた」
Outlook Expressで同様の問題が発生したという報告もある。
米国時間の3月6日昼時点で、この問題の解決策はWindows Live OneCareのサポート・フォーラムに掲載されていなかった。あるモデレーターは、OneCareの旧バージョンでも9カ月前に同様の問題が発生したと指摘していた。
マイクロソフトは7日にバグの存在を認めた。OneCareのウイルス対策スキャナは、電子メールの添付ファイル内の不正コードを検出すると、OutlookまたはOutlook Expressのデータ・ファイルを隔離する場合があり、その際にすべてのメッセージが消去されたように見えると、同社は説明する。
マイクロソフトの広報担当者は、「現在、OneCareのマルウェア対策エンジンがOutlookの.pstファイルやOutlook Expressの.dbxファイルを誤って隔離する問題の解決に取り組んでいる。この問題は、.pstファイルや.dbxファイルに、マルウェアに感染した添付ファイルが含まれている場合に発生する」と語った。
この問題の修正プログラムは、3月13日に配布予定のスキャン・エンジンの更新プログラムに含まれることになっている。
マイクロソフトは、ユーザーは隔離されたデータ・ファイルを以下の手順で復元できるとしている。
- OutlookまたはOutlook Expressを閉じる
- OneCareのメイン画面で、「OneCare設定を変更」をクリック
- 「ウイルスとスパイウェア」タブをクリック
- 「隔離」ボタンをクリックし、.pstまたは.dbxファイルを選択
- 「復元」をクリック
また、マイクロソフトはユーザーに、スキャン・エンジンの更新プログラムが来週配布されるまで、OneCareがデータ・ファイルを隔離しないように、以下の手順で.pstファイルや.dbxファイルをスキャンの対象から外すことを勧めている。
- OneCareのメイン画面で、「OneCare設定を変更」をクリック
- 「ウイルスとスパイウェア」タブをクリック
- 「除外」ボタンをクリック
- 「フォルダの追加」ボタンをクリック
- スキャン対象から除外する.pstまたは.dbxを含むフォルダに移動し、「了解」をクリック
マイクロソフトによると、Windows Live OneCareのバグは、Windows XPで動作するOutlook 97、Outlook 2000、Outlook Expressに影響を与える可能性があるという。
OneCareはこのところ失点続きである。3月1日にはAV-ComparatifvesのWebサイトが、17のウイルス対策プログラムの中で、OneCareの効果が最も低いという評価結果を発表した。
また2月には、OneCare（やそのほかのセキュリティ製品）のマルウェア・セキュリティ・エンジンの修正プログラムを配布しなければならない事態に追い込まれた。これは、攻撃者が不正な形式のPDFファイルを用いてPCを乗っ取ることができないようにするための措置である。
(グレッグ・カイザー／Computerworld オンライン米国版)
米国マイクロソフト http://www.microsoft.com/
提供：Computerworld.jp
