マイクロソフト、統合コミュニケーション・ソフトのベータ版を今月公開--3年以内に1億人のユーザーがOfficeアプリ上でIP電話を利用可能に

 米国マイクロソフトのビジネス部門担当社長、ジェフ・レイクス氏は3月7日、フロリダ州オーランドで開催された「VoiceCon Spring 2007」(3月5〜8日)で基調講演を行い、同社の統合コミュニケーション戦略の柱となるサーバ製品「Office Communications Server(OCS)2007」およびクライアント製品「Office Communicator(OC)2007」の公開ベータ版を今月中にテスター向けにリリースすると発表した。

 これらは同社の製品として初めて高度なVoIP機能をサポートする。マイクロソフトは6日、レイクス氏が統合コミュニケーションについて解説する 4分間のビデオ・クリップを公開、同氏はこのビデオの中で、「3年以内に1億人以上の人々が、Microsoft OutlookやSharePointなどのMicrosoft Officeアプリケーションから電話をかけられるようになるだろう」と述べている。

 同社によると、すでに石油大手のシェルなどの企業がOCS 2007とOC 2007の試験利用を計画しているという。なお、OCS 2007の製品版の出荷は2007年半ばになる見通しだ。

 マイクロソフトの統合コミュニケーション部門のコーポレート副社長、ガーディープ・シン・ポール氏は、昨年12月に公表した声明の中で同社のビジョンについて次のように説明していた。

 「テレコム・ネットワークとデータ・ネットワークの融合が急速に進んでおり、この2つの分野がソフトウェアによって統合されることにより、ITマネジャーは、VoIPなど新しいコミュニケーションの可能性を容易に引き出せるようになる」

 OCS 2007の公開ベータ版のリリースにより、多くの企業ユーザーが、こうしたビジョンを検証する機会を持てることになる。

 マイクロソフトはOCS 2007を、企業がVoIP技術と既存の電話インフラを統合するためのプラットフォームとして売り込んでいる。

 OCS はSIP(Session Initiation Protocol)をネイティブにサポートし、ユーザーがWord、Outlook、OCなどのOffice 2007アプリケーションから、ほかのユーザーの強調表示された名前をクリックするだけで電話をかけられるようにする。

 また、マイクロソフトはOCS 2007と昨年末にリリースされたExchange 2007を、統合メッセージング・プラットフォームと位置づけている。Exchange 2007とOCS 2007は連携して動作し、自動音声応答や着信通話の転送、ボイス・メールと電子メールを1つのメール・ボックスで統合管理する統合メッセージング機能をサポートする。

 なお、マイクロソフトは統合コミュニケーション分野でノーテルやアルカテル・ルーセント、アバイヤ、シスコなどの企業と提携している。

(ジョン・フォンタナ/Network World オンライン米国版)

提供:Computerworld.jp