仮想化ベンダー2社、Mac上でWindowsを稼働させるソフト新版を発表――ヴイエムウェアとパラレルズがそれぞれアップグレード版をリリース

 「Windows」OSをアップル製のコンピュータ上で稼働させる仮想化ソフトウェアを開発するソフトウェア・ベンダー2社が、競合するアップグレード製品を相次いでリリースした。
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「VMware Fusion for Mac」のユーザー・インタフェース(クリックで拡大)

 ヴイエムウェアは3月2日、「VMware Fusion for Mac」の第2ベータ版の無料ダウンロードを開始し、完成版の製品を6月ないし7月に一般向けに出荷する予定だと発表した。同ソフトウェアの第1ベータ版は2006年12月に公開されている。

 一方、ライバルのパラレルズも2月27日、「Parallels Desktop for Mac」のアップデート版を公開した。

 両製品とも仮想化技術を用いてマイクロソフトのWindowsをアップル製コンピュータ上で稼働させるもので、ユーザーはコンピュータを再起動することなくOSをMacからWindowsに切り替えて利用することができる。

 ヴイエムウェアの新興製品/市場担当バイスプレジデントのダン・チュー氏によると、Fusionの大きな強化点の1つは、Windows向けの3Dゲーム・ソフトウェアをMac上で実行できるようにしたことにあるという。

 同氏は、「ブログにおいてこれに関する膨大なやり取りがあった」とし、ベータ2のリリースを期待するエンドユーザーと活発なディスカッションを繰り広げたことをアピールした。

 チュー氏はさらに、Fusionの優位性について、64ビットと32ビットのいずれで書かれたソフトウェアも実行できることを強調、「Parallelsは旧来の32ビット規格しかサポートしない」と指摘した。

 パラレルズの広報担当者、ベンジャミン・ルドルフ氏はこうしたチュー氏の指摘を事実と認めうえで、同社も今年後半に提供予定の新たなアップグレードで、64ビット対応を追加するとともに、3Dグラフィックス機能をサポートすると説明している。

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Macのデスクトップ上で直接Windowsアプリケーションを稼働できる「Parallels Desktop for Mac」(クリックで拡大)

 27日にリリースされたParallels Desktopの大きな特徴は、WindowsアプリケーションをMac OS X上であたかもネイティブのように実行する「Coherence」と呼ばれる機能をサポートしている点にある。

 ルドルフ氏によれば、ユーザーがCoherenceモードに切り替えると、Windowsデスクトップは表示されなくなり、「Word」や「Outlook」、「Internet Explorer」などのWindowsアプリケーションはMacデスクトップ上で稼働、それらのアイコンはMacのアプリケーション・ドックに表示されるようになる。

 「Coherenceは、いまだかつてどこも実現できなかった機能であり、Parallelsのイノベーションを象徴するものだ」と同氏は力説する。

 これに対し、Fusionは、Mac用とWindows用アプリケーションの融合を特徴とし、Macのデスクトップを表示させながらWindowsデスクトップを画面の一部に開き、そこからWindowsアプリケーションを起動することができる。Parallelsも同様の表示モードを備えているが、「Fusionのユーザー・インタフェースとは異なる」とチュー氏は指摘する。

 一方、ルドルフ氏は、ヴイエムウェアが主に企業のサーバ仮想化に力を注いでいるのに対して、パラレルズはMac上でWindowsを稼働するというFusionがねらうニッチ市場に注力しており、「Macの仮想化では彼らのはるか先を行っている」と強調している。

 Parallels Desktop for Macの最新版の価格は79ドル99セントで、既存ユーザーはアップグレードを無料ダウンロードできる。なお、ヴイエムウェアのVMware Fusion for Macの完成版の価格は明らかにされていない。

(ロバート・マリンズ/IDG News Service サンフランシスコ支局)

米国ヴイエムウェア
http://www.vmware.com/

米国パラレルズ
http://www.parallels.com/

提供:Computerworld.jp