イングレス、LinuxとDBを一体化した「Icebreaker」を正式リリース--「rPath Linux」との緊密な統合を実現

 オープンソース・データベース・ベンダーの米国イングレスは2月27日、自社のデータベース・ソフトウェアとLinux OSを統合したソフトウェア・アプライアンス「Icebreaker」を正式リリースした。これにより、同社は新規顧客の獲得と新規市場への参入を果たしたい考えだ。

 Icebreakerはこれまで「Project Icebreaker」という名称で開発が進められてきたもので、イングレスが2005年に米国CAから独立分離して以来、初めての製品となる。

 同製品には、イングレスのオープンソースのデータベース・ソフトウェア「Ingres 2006」と、米国アールパスのLinuxディストリビューション「rPath Linux」が緊密に統合されている。Linux OSについては、Ingresデータベースの実行に必要なコンポーネントのみが搭載され、それはrPath Linuxディストリビューション全体の15〜20%に相当するという。

 イングレスのエンジニアリング担当上級副社長、エマ・マクグラタン氏は、Icebreakerのメリットについて、「データベースとLinuxを組み合わせることで、システムの導入と管理を簡略化し、保守やサポートにかかるコストを削減できる」と説明している。

 企業ユーザーにとって重要な要素となる保守については、データベースとOS、両方のパッチとアップデートが同時に提供されることになっている。また、Icebreakerには、ヴイエムウェアやゼンソースなどの仮想化技術のサポートも含まれる。

 イングレスは、サードパーティ各社がIcebreakerをベースに各種のアプリケーションを構築することを期待している。マクグラタン氏によると、同社は対応アプリケーションの提供に向け、現在、オープンソースとクローズドソース両方のBI(ビジネス・インテリジェンス)ベンダー各社と交渉を進めているという。

 Icebreakerは、x86互換のあらゆるLinuxサーバに対応し、ライセンスはGPLv2(GNU General Public License Version 2)が適用される。

(チャイナ・マーテンス/IDG News Service ボストン支局)

米国イングレス http://www.ingres.com/

提供:Computerworld.jp