マイクロソフト、Vistaに「BPEL」サポートを追加--ビジネス・プロセス・アライアンスを結成
マイクロソフトは、3月にリリースするコミュニティ技術プレビュー(CTP)版「BPEL for WWF March CP」から、Vistaの「Workflow Foundation(WWF)」をBPEL対応にする予定だ。CTP版には、標準化団体のOASISが監督および提供する「BPEL 1.1」規格が実装されることになっている。
マイクロソフトによると、BPEL for WWFの最終版は「BPEL 2.0」に対応する予定で2007年第4四半期中にリリースされる見通しという。
OASISのWebサイトには、同団体はすでにBPEL 2.0標準を承認しているが、最終的な規格の提供までにはもう少し時間を要すると記されている。
数年前、マイクロソフトとIBMが、両社の競合するビジネス・プロセス・プログラミング言語を統合して「BPEL for Web Services」を開発し、これがBPELと略称されるようになった。両社は2003年4月、ほかのベンダーとともにBPELをOASISに提出し、標準規格として承認するように要請した。
26日には、WindowsにBPELのサポートを追加する計画と同時に、ビジネス・プロセス・アライアンスの結成も発表された。同組織に参加するソフトウェア・ベンダーは、マイクロソフトのソフトウェア・プラットフォーム上でBPMアプリケーションを開発するユーザーを支援していく。
マイクロソフトのほかには、アンバーポイント、アセントン、IDSシェアー、フェアアイザック、グローバル360、インルールテクノロジー、メタストーム、PNMソフト、ルールバースト、ソースコード・テクノロジー・ホールディングが同組織に参加している。
今のところ、BPM技術を導入しているのは大規模なフォーチュン500企業に限られているが、WindowsにBPELサポートを追加し、独立系ソフトウェア・ベンダーによるWindowsプラットフォームでのBPM技術開発を推進することで、その裾野は広がっていくと、マイクロソフトは展望している。
とはいえ、BPELの開発を巡っては、批判的な見方もある。BPELは、ビジネス・プロセスをオーケストレーションによって実現する言語だが、一部の識者は、「コリオグラフィー(Choreography)」と呼ぶ概念に基づく言語のほうが優れているのではないかとの疑問を投げかけている。
オーケストレーションが、プロセス内のイベントを一元的に管理する手法であるのに対し、コリオグラフィーでは、そうしたイベントに適用するルールをあらかじめ設定しておく。この特徴が、開発者にとって柔軟な環境を作り出すというのである。
なお、マイクロソフトは、統合ソフトウェア「BizTalk Server」でもBPELをサポートしている。
(エリザベス・モンタルバノ/IDG News Service ニューヨーク支局)
米国マイクロソフト http://www.microsoft.com/
提供:Computerworld.jp