Unisys、Oracleとの提携を拡大——レガシー・マイグレーション戦略を強化

 米Unisysは2月6日、Oracleとの提携を拡大すると発表した。メインフレームからLinuxサーバへの移行を支援する取り組みを強化するのがねらいだ。

 両社は以前から提携関係にあるが、今回の提携拡大は、共同でのエンジニアリングや販売、マーケティングなどを通じてレガシー・マイグレーションを支援するというのが特徴だ。

 提携拡大の目玉となるのは、アプリケーションの移行方法を示す具体的な「青写真」である。例えば、IBMの「CICS」環境から、Oracleのミドルウェア群「Oracle Fusion Middleware」やRDBMS「Oracle Database 10g」が稼働するインテル・チップ搭載のLinuxサーバ「Unisys Enterprise Server ES7000/one」への移行方法を具体的な形で提示する。

 また、Unisysは「3D-VE(3D Visible Enterprise)」にも重きを置いている。これは、同社が提唱する情報システム化の方法論で、ビジネス・プロセスの可視化などを可能にするものだ。Unisysのオープンソース・ソリューションズ/システム/テクノロジー担当副社長、アリ・シャドマン氏は、3D-VEのアプローチに沿うことで、ユーザーはビジネス・ルールやポリシーの抽出を通じてアプリケーションを深く理解できるようになると強調する。

 「当社のシステム化アプローチと他社のそれとの相違点の1つは、われわれは単にアプリケーションを別のプラットフォームに移行させることを主張しているだけではないという点だ。顧客から伝わってくるのは、そもそもアプリケーションが何を行っているかを理解したいということだ。3D-VEにより、アプリケーションの変更が及ぼすテクノロジー層とビジネス層への影響を明確に知ることができる」(シャドマン氏)

 UnisysとOracleが結んだ提携の大部分は、MVSが稼働するIBMメインフレームのLinuxサーバへの移行を主眼としているが、「大規模UNIXシステムからの移行例もある」(シャドマン氏)という。

 シャドマン氏によると、一部のアプリケーションではコードを書き直すことなくLinux環境に移行できるという。また、コードの変換を自動的に行うことも可能で、例えばRDBMS「Adabas」のコードを自動変換するツールが用意されている。

(ポール・クリル/InfoWorld オンライン米国版)

米Unisys
http://www.unisys.com/

提供:Computerworld.jp