秘密のベールの中、新しいオープンソース推進団体が発足へ
SourceForge.netはLinux.comの親団体OSTGが所有しており、いずれOSAにメディア・パートナーとして参加する可能性がある。しかし、そのSourceForge.netでさえ、OSAの運営や基金あるいは見通しについて、一条の光さえ当てることはできなかった。
Linux.comがインタビューした匿名の人物は、「少なくとも10社」が契約し「さらに10数社と交渉中」だと述べている。具体的な参加企業名の開示は拒否されたが、SpikeSourceとJasperSoftが加わっているとのは確信は得た。
この人物によると、関係者が企業名を明かさないのは「まだ参加の手続きが完了していない、あるいは、現在交渉中で、今話せば(発足までに正式参加する可能性のある)重要な企業を失うかもしれない」からだという。一方、OSAの発足に関わっている別の人物は、口を閉ざしていることについて別の理由を挙げる。いまだに組織の詳細がほとんど決まっておらず「今言えることは少なく、もう少し固まるまで報道陣の質問攻めにあいたくない」からだというのだ。
Linux.comはOpenSolutionsAlliance.orgという名のWebサイトを見つけたが、そこには「coming soon」という予告があるだけだ。ドメイン名は、2007年1月8日に「darkhorseventures.com」によって登録されており、そのURLはCentricCRMのWebサイトにリダイレクトされている。
CentricCRMは、オープンソースのCRM(Customer Relationship Management)ソフトウェアを製作している企業だ。執筆時点で、CentricCRMと接触できていないが、同社もOSAの初期からのメンバーのようだ。
また、CollabNetが関わっていることも明らかだ。LinuxWorldでは、2月15日にOpen Solutions Alliance Forms to Promote Interoperability Between Open Source Solutionsと題するパネル討論が予定されているが、その司会がCollabNetの創設者でありCTOのBrian Behlendorfとなっているからだ。
さらなるオープンソース推進団体は必要だろうか
電話インタビューで「背景について」説明したOSAの関係者によると、OSAは「オープンソース・アプリケーションのビジネス利用を中心に取り組む」という。これまでのオープンソース推進団体は主に法律問題やライセンス問題に取り組んでおり、オープンソース自体を推進してきた団体でさえ「オープンソース・アプリケーションではなく、LinuxやApacheなど、オープンソースのインフラストラクチャー」を主にしてきたという。
そして、OSAはオープンソース・ソリューション・プロバイダーのための直接的な推進団体となるだけでなく、「相互運用性のための指針と優良事例」に取り組み、グループ・ブランドを確立して、「標準化団体というよりGood Housekeepingの認定証のような存在」を目指すという。OSAのメンバーの中には競合する企業もあるが、オープンソース・アプリケーションが商用の利用者にとって一般的に魅力あるものになるためであれば「現実的な視点から協力できるし、協力すべきだ」という。
言い換えれば、OSAは、全国的な――おそらくは世界的な――商用オープンソース・ベンダーのための業界団体を目指しているのだ。プロプライエタリなソフトウェア・ベンダーをメンバーとする多くの業界団体と同じように。
このようなOSAは成功するだろうか。まず、来る2月15日に、華々しい計画と、見る者を圧倒するマーケティング・プログラムを示せるだろうか。そして、Fortune 500のCTOは、コストが低く信頼性の高いアプリケーションを探すときOSAを参考にするほどOSAのメンバー企業は素晴らしいと考えるだろうか。
ソフトウェア・ビジネスの戦国世界とそれを雲のごとく取り巻く業界団体の中で、OSAは公平でありうるのか。現時点では、読者同様、Linux.comにもわからない。少なくとも2月12日までは発表もなくインタビューも受け付けないと断言され、さらには「報道は後回し、Summitで最初の講演を行った後だ。将来のメンバーに真っ先に話したいからだ」と言われてはいるが、Linux.comとしては、落胆の吐息をつきながら情報を待っているところだ。
NewsForge.com 原文