Oracle、Linuxサポート戦略の一翼を担う管理ツールをリリース
Oracleが1月22日に発表した「Oracle Management Pack for Linux」は、昨年10月に開始されたサポート・プログラム「Unbreakable Linux 2.0」の一翼を担う管理ツールである。
同プログラムについては、Red Hatの重要な収入源を直接攻める動きというのが業界アナリストの一致した見方だ。OracleブランドのLinuxディストリビューションこそ投入されていないものの、このサポート・プログラムは、そうした製品の投入に向けた地ならしの役割を果たすと見られている。
現在、エンタープライズ向けのLinux市場をリードしているのはRed Hatであり、「SUSE Linux」を擁するNovellがそれに続いている。また、「Ubuntu」や「Debian」、「Mandriva」などのLinuxディストリビューションもディベロッパーの間で支持を広げつつある。
Oracle Management Pack for Linuxは、Oracleの「Oracle Enterprise Manager 10g」をベースとしており、Unbreakable Linuxプログラムに登録した顧客をターゲットとしている。ただし、Oracleは同プログラムの登録ユーザー数を明らかにしていないため、同プログラムが現時点でどの程度の成功を収めているのかを評価するのは困難だ。
Oracle Management Pack for Linuxが提供するのは、Linuxサーバ・システムのプロビジョニングや管理ツールなどだ。パッチ導入を支援する機能も備えている。
また今回の発表は、Oracleがシステム管理ソフトの機能を徐々に拡大しつつあることを示す新たな兆候でもある。
これまでOracleは、自社製品を対象とした管理ツールを提供することに力を注いできた。しかし最近では、Oracle Enterprise Managerや同Grid Controlの機能を拡張し、サードパーティ製のプラグイン管理ソフトにも対応する方向に舵を切り始めている。
さらに昨年7月には、Oracleの幹部が金融アナリストに向けて自社の戦略を説明し、システム/ネットワーク管理ベンダーを買収する可能性を示唆した。
Oracle Management Pack for Linuxは、Unbreakable Linuxプログラムのベーシック・レベルとプレミア・レベルの両方に組み込まれているほか、Oracleの技術者向けサイト「Oracle Technology Network」から無料でダウンロードすることもできる。
(チャイナ・マーテンス/IDG News Service ボストン支局)
米Oracle
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提供:Computerworld.jp