HP、Oracle、Intel、メインフレームの移行を共同で支援──Oracle OpenWorldリポート
「Application Modernization Initiative」と呼ばれるこの取り組みの狙いは、SOA(サービス指向アーキテクチャ)とグリッド・コンピューティングを基盤とするアーキテクチャによってリスクを抑えつつ顧客企業のメインフレーム環境を移行し、業績の改善やコストの削減を図ることにある。
同プログラムが提案するアーキテクチャは、IntelのItaniumプロセッサを搭載するHPのハイエンド・サーバ「Integrityシリーズ」に、Oracleのグリッド・コンピューティング構想「Oracle Grid Computing」やグリッド関連の機能を備えるミドルウェア「Oracle Database 10g」「Oracle Fusion Middleware」を組み合わせたものとなる。また、顧客のメインフレーム・アプリケーションのポートフォリオを詳細に査定・分析するサービスをHPが提供し、アーキテクチャの設計およびコンサルティングサービスを3社が共同で提供していく。
HPのアプリケーション・モダニゼーション・サービス担当ワールドワイド・ディレクターを務めるポール・エバンス氏は、「企業はいまだにレガシー環境に縛られている一方で、分散環境への移行に伴うリスクも認識している。こうした企業のニーズを満たすべく、われわれ3社は各社の技術を連携させてリファレンス・アーキテクチャを構築した」
IDCのアプリケーション・アウトソーシング&オフショア・サービス担当プログラム・マネジャー、バリー・ルベンスタイン氏は、「HP、Oracle、Intelの提携は、IBMが独占するメインフレーム市場に大きな選択肢をもたらした。しかし、顧客に提供可能な技術の幅という点では、HPは競合に後れをとっている」と指摘する。競合の例として、Sun Microsystems、EMC、Dell、SAP、Oracle、Microsoftと提携しているEDSが挙げられた。「かといって、HPがSunやDellといったサーバの競合ベンダーと提携することはないだろう」と同氏は予測する。
エバンス氏によると、プログラムの導入フェーズであるアセスメントには5万ドルかかるが、メインフレームの移行によって十分にコスト削減を図ることが可能だという。
(ポール・クリル/InfoWorld オンライン米国版)
提供:Computerworld.jp