IBMとアリゾナ大学、Web 2.0教育カリキュラムを開発
Web 2.0技術の関連スキルを専門に扱う講座の草分けの1つとなるこの講座では、これらの技術を使ったオンライン・コミュニティの計画、立ち上げ、維持をどのように行い、顧客や売上げの獲得、顧客サポートに役立てるかを、経営情報システム(MIS)やマーケティングを学ぶ学生に教育する。
IBMの開発者向けサイト「IBM developerWorks」でコミュニティ・プログラム・マネジャーを務めるローン・シャー氏に、Web 2.0ツールが、エンタープライズ・コンピューティングや開発者に対しどのうような影響を与えるのか話を聞いた。
——IBMがアリゾナ大学と共同で開発した新講座の目的は何か。
大学のMISや関連学科では入学者数が減っている。これはドットコム・バブルの崩壊以来の傾向だ。アリゾナ大学は、MISやITへの関心を高める新しい方法を模索している。われわれが現在の学生の学生生活について調べたところ、ほとんどの学生は、自身がブロガーではないにしても、Web 2.0と何らかの形で接していることがわかった。われわれは彼らにWeb 2.0の意義を教えながら、ITの仕事が彼らを待っていることを知ってもらおうとしている。
——ブログやWikiなどのWeb 2.0ツールは、企業では主にどんな用途があるのか。
社内では、従業員どうしのコミュニケーションや連携を深めるためのコミュニティ作りに利用できる。社外では、例えば、顧客に商品サポートを提供したり、顧客の協力を得て次世代の商品を開発するのに利用できる。
Web 2.0ツールを使ってビジネス・パートナーに情報を提供したり、彼らと共同でマーケティングを行うこともできる。こうしたそれぞれの場合で、具体的な使い方についてはさまざまな工夫ができる。
——そうしたソーシャル・ツールを管理するコミュニティ・マネジャーの企業内での新たな役割は何か。
そうしたコミュニティの活用を考える企業は、どこもブログやフォーラム、RSSフィードをどのようにセットアップするかで頭を悩ませている。これらを担当する責任者が必要だ。
コミュニティ・マネジャーは、企業の経営陣やそのほかの社員がブログのやり方、Wikiでのコンテンツ作成方法、ポッドキャストの作り方を学ぶ手助けをする。一人ひとりがそれを自分でうまくこなさなければならないなら、それは時間の浪費だ。
コミュニティ・マネジャーは企業目標を念頭に置いて彼らをサポートしなければならない。その役割は分野横断的なものになり、ITとビジネスの間の領域における“情報マネジャー”として機能する必要がある。
(ヘザー・ヘイブンステイン/Computerworld オンライン米国版)
米IBM
http://www.ibm.com
アリゾナ大学
http://www.arizona.edu/
提供:Computerworld.jp