MySQL向けの監視サービスが今年末にも登場へ

 スウェーデンのMySQL ABは、オープンソースRDBMS「MySQL」の管理と保守を容易にするサーバ・ベースのデータベース監視/アドバイザリ・サービス「Merlin」(開発コード名)の開発を推進している。同社に近い情報筋が明らかにした。

 情報筋によると、Merlinは、ユーザーのデータベース・ネットワークを継続してスキャンし、システム・クラッシュやボトルネック、セキュリティ上の脆弱性が発生する可能性を特定する。2年近く前から開発が進められており、今年第4四半期末か来年第1四半期初めにリリースされる見通しだ。

 Merlinにサードパーティ製ソフトウェアが含まれるかどうか、あるいは、MySQLの開発者が既存のデータベース監視/アドバイザリ・サービスをモデルにしてMerlinを開発しているかどうかは不明だ。

 Merlinの目的は、MySQLをより簡単に管理できるようにすることにある。特に、中小規模の企業はMySQLを運用するデータベース管理者を雇う余裕がないことが多い。また、大企業でも、MySQLのスキルを備えたデータベース管理者を十分に確保するのに苦労している。情報筋によると、顧客からの要望が、MySQLがMerlinの開発に踏み切る大きな要因となった。

 MySQL ABのCEOマーテン・ミコス氏は、9月29日に行われたIDG News Serviceとのインタビューで、Merlinプロジェクトについてコメントを控えた。しかし同氏は、「来年の重点的な取り組みの1つは、MySQLデータベース管理者の作業を楽にするためにツールやそのほかの製品を提供することだ」と語った。

 「90年代のわれわれの最初のユーザーは、データベース開発者ではなかった。21世紀に入り、MySQLはデータベース開発者に活用されている。現在、われわれはデータベース管理者(DBA)を支援する方法を考えている」(ミコス氏)

 情報筋によると、Merlinは“仮想DBA”や“常駐MySQLコンサルタント”として機能し、システムの問題が重大になる前にユーザーに警告するとともに、MySQLのパフォーマンスを改善する対策、ヒント、チューニング・オプションを提案する。これまでのところ、Merlinは50以上のデータベース・ルールについてチェックとアドバイスを行うことができ、MySQLと顧客の両方が新たなカスタム・ルールを構築して追加できるようになる見込みだ。

 なお、Merlinは現在、24カ所の顧客サイトでベータテストが行われており、サブスクリプション・サービスの「MySQL Network」を通じて配布される予定。

(チャイナ・マーテンス/IDG News Serviceボストン支局)

提供:Computerworld.jp