米国連邦地裁、P2Pソフトの「Morpheus」が著作権侵害を助長したと判断
連邦地裁判事のスティーブン V.ウィルソン氏は、「このソフトの提供元であるStreamCast Networksが、同社のネットワーク上でやり取りされる音楽と映画に著作権があるとは知らなかったなどと主張することは許されない」と述べた。
今回の判決は、2001年にMorpheusの配布に対して差し止め命令を求めて訴訟を起こしたレコード会社と映画会社にとってはさらなる勝利と位置づけられる。StreamCastは、この訴訟で同社とともに訴えられたGroksterおよびSharman Networks(ファイル共有クライアント「Kazaa」を所有)の2社がエンターテインメント業界と和解した後も法廷闘争を続けていた。StreamCastは、Morpheusは合法的な使い方が可能だと主張し、上訴を検討するとしている。同社は声明で、「当社が著作権のある作品についてユーザーに不正使用を勧めたとは思っておらず、そうした意図はまったくなかった」と述べた。
ファイル共有ソフトウェアの提供企業は、エンターテインメント業界が起こした一連の訴訟で敗北している。米国最高裁は2005年6月、GroksterとStreamCast両社は、ユーザーによる著作権侵害について責任を問われうるとの判決を下した。今月は、Morpheusと同様、新世代のP2Pファイル共有ソフトウェアとして人気を集めていた「eDonkey」を配布していたMetaMachineは、著作権侵害訴訟でレコード業界と3,000万ドルで和解に至った。また、数週間前には、Sharman Networksがエンターテインメント業界からの訴訟を終結させるため、1億ドルを支払うことに合意している。
大手のレコード会社と映画会社は、違法ファイル共有に対抗して積極的な訴訟戦術を採用し、ソフトウェア会社と個人ユーザーの両方を訴えることで、著作権侵害による収入減に歯止めをかけようとしている。
(ジェレミー・カーク/IDG News Serviceロンドン支局)
米StreamCast Networks
http://www.streamcastnetworks.com/
MorpheusのWebサイト
http://morpheus.com/
提供:Computerworld.jp