国内の運用管理パッケージ市場、2006年度も2ケタ成長を維持へ

 ミック経済研究所は9月21日、UNIXおよびWindowsサーバ対応のミドルウェア・パッケージ・ソフトウェアの国内市場調査リポートを発表した。それによると、統合運用管理パッケージの国内市場規模は、セキュリティ管理およびサービス管理製品の販売好調により、2005年度で対前年比14.7%増を記録、2006年度も13.4%増加する見込みという。

 今回の調査は、データベース管理システム(DBMS)系、開発支援系、運用管理系、帳票作成系ミドルウェア18分野について、国内のハードウェア・ベンダー5社、ソフトウェア・ベンダー80社を調査対象に実施された。

 ミドルウェア・パッケージの国内市場全体を見ると、2005年度は対前年度比10.3%増の約2,895億円、2006年度も10.5%増の約3,200億円となる見込みだ。同研究所では、2007年度以降も年率6〜7%の成長で推移すると見ており、2010年度には4,100億円を突破すると予想している。

 ミドルウェア・パッケージのうち統合運用管理パッケージに注目すると、2005年度は前年比14.7%増の約722億円、2006年度も13.4%増の819億円になる見込みという。

 また、統合運用管理パッケージ市場を機能分野別に見ると、2005年度は、ジョブ管理が約125億円で全体の17%強を占めた。ジョブ管理は、電源起動からサービスの開始や停止および電源切断までの業務の自動化を実現させ、企業のITシステムの安定した業務遂行を支援する機能を提供する。

 次いで、14%強という高い構成比を占めるのが統合管理で約104億円となっている。統合管理は、ジョブ管理やサービス管理などと連携し、企業の情報システム全体を一元管理する機能を提供する。

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統合運用管理パッケージの機能分野別出荷金額の推移

 ミック研では、「現在、企業情報システムは、複雑化かつ大規模化しており、システムの運用や管理を効率化・省力化するために、ネットワーク、サーバ、アプリケーションなどを一元管理する必要に迫られている」と分析している。

 なお、10%台の成長を示す機能が多い中で、セキュリティ管理とサービス管理は2005年度で前年比30%を超える高成長を見せている。セキュリティ管理は、2005年度で前年比36.8%増の約74億円、サービス管理は同48.1%増の約40億円となった。

 セキュリティ管理は、情報システムを外部からの不正アクセスを遮断したり、内部からの情報漏洩を防止したりする管理機能を提供。サービス管理は、情報システムが提供するWebアプリケーションなどをはじめとする各種サービスの性能や品質を管理する機能を提供する。

 ミック研によると、現在は、個人情報保護法の完全施行に伴う各企業のセキュリティ意識の高まりだけでなく、日本版SOX法や会社法など、企業の内部統制強化に向けた法整備が進められており、統合運用管理パッケージを用いた管理が必須になってきているとしている。

 また、ITサービス・ネジメントのベスト・プラクティスを集めたフレームワークであるITIL(Information Technology Infrastructure Library)にも注目が集まっているという。

 「ITILは、ビジネスにおいてITサービスをより効果的、効率的に活用することを推進していることから、ITILに基づきITシステムが提供する各種サービスの性能や品質を管理するニーズが急速に高まっており、今後もサービス管理が好調に推移するものと思われる」(ミック研)

 今回の調査の詳細は、ミック研が発行した「UNIX・Windows対応ミドルウェア・パッケージ・ソフトの市場展望【開発・運用編】2006年度版」に紹介されている。同リポートには、2004年度から2006年度の分野別UNIX・Windows対応ミドルウェア・パッケージ・ソフトウェアの市場規模、2010年度までの中期予測が掲載されている。

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統合運用管理パッケージの機能分野別出荷金額の推移

ミック経済研究所
http://www.mic-r.co.jp

提供:Computerworld.jp