DDR2がようやくPC向けDRAMメモリの主流に
メモリ・チップのオンライン取り引きを仲介する台湾のDRAMエクスチェンジは8月29日、先週のDRAMのスポット市場および契約市場におけるDDR2チップの取引量が、これまで主流だった「DDR-400」チップ(400MHzのDDRチップ)の取引量を追い抜いたと発表した。
DDR2チップの普及は、熱問題などが原因で予想よりもかなり遅れた。実は、過去数年にわたって市場シェア・トップを占めてきたDDR-400は、登場当初、短命に終わると見なされていた。しかし、2002年末ごろにIntelの製品ロードマップにDDR-400が登場したことを機に、コンポーネント・メーカー各社が一斉にDDR-400対応部品を開発するようになり、DDR2対応部品の開発はさらに延期されることになった。全PCのおよそ8割がIntelのマイクロプロセッサを採用しているため、コンピュータ部品メーカーにとってインテルのお墨付きは非常に重要な意味を持つ。
また、米AMDの動向も今年のDDR2の需要が先送りされる一因となった。AMDは、同社初のDDR2対応デスクトップ向けプロッセッサとノートPC向けプロセッサの発表を今年中ごろまで延期した。これは、初期バージョンのDDR2チップを採用しても、AMD製プロセッサを搭載したシステムではパフォーマンスはさほど向上せず、価格が高くなるだけと判断したからだ。
当初のDDR2チップは400MHzであり、次いで533MHzのモデルも投入されたが、AMDは667MHzモデルが量産段階に入り、価格が引き下げられるまで待った。
一方、DRAMエクスチェンジは同日、DDR2チップは再び価格が問題になるかもしれないと指摘した。先週のDDR2チップの価格は、PC向けメモリ・チップの高い需要を反映して、前の週から8%上昇した。例年、新学期を迎えるにあたって多くのPCが販売されるこの時期は、DRAM市場でも購入活動が活発化するため、DDR2チップの価格は9月末ごろまで高めで推移するとDRAMエクスチェンジは予測している。
(ダン・ニーステット/IDG News Service 台北支局)
提供:Computerworld.jp