Javaのオープンソース化はどのように進められるのか──SunのCTOに聞く
──新たにポータルを公開した目的は何か。
新ポータルの目的は、透明性を確保することにある。われわれは単なるオープンソース化ではなく、オープン・コミュニティの形成を目指している。これまで業界では、「ソースを好きに使ってかまわない」といったかたちでオープンソース・プロジェクトが行われてきた。われわれが目指す目的を達成する唯一の方法は、既存のオープンソース・コミュニティを巻き込んで、彼らにアドバイスやガイダンス、意見を求めることだ。
──Javaのソースコードを公開する取り組みはどのような現状なのか。
現在、Javaの重要な部分のコードを秋にリリースすることを計画している。それには、Javaプログラミング・コンパイラやHotSpot Virtual Machineなどが含まれる。ソースの準備が整ったものから、コードを段階的に順次リリースしていき、最終的に全体を公開する。
──オープンソース化の取り組みに向けこれまでに直面した問題はあるか。
技術によっては、知的財産にかかわる制限があるものもあり、それらを明確に把握することが必要だ。例えば、グラフィックス・ライブラリには、画面上での文字の表示を可能にするフォント・ラスタライザが含まれているが、われわれはこれらを他社からライセンスしている。
Javaプラットフォームのほかの部分はオープンソースとして提供できそうだが、現状では、ラスタライザについてはバイナリで提供することになるだろう。Javaのオープンソース化により、その代替技術がコミュニティの協力によってオープンソースで開発されることを期待したい。
われわれは最適なガバナンス・モデルと最適なライセンシングを模索している。われわれはコミュニティのためにインフラを改良し、バグの追跡手段を提供し、ソースコード管理を行わなければならない。したがって、ソースをダウンロードできるだけのサイトを作るつもりはない。例えば、新サイトでは、人々が変更をチェックインできるようになる。
──オープンソースの取り組みはJava Community Process(JCP)の変化につながるか。
今のところ確たる見通しはないが、変化する可能性はある。われわれは外部の組織や委員会がJCPに参加することを望んでいる。しかし、どのような変化が生じるのか私にはまだわからない。
──Javaコードの他の部分をオープンソース・コミュニティに提供する計画は決まっているのか。
いいえ。それは基本的に、コミュニティからの要求や、われわれがどれだけ迅速にオープンソース化の準備を整えられるかにかかっている。リソース、時間、法的問題などに左右されるだろう。
(ヘザー・ヘイブンステイン/Computerworld 米国版)
米Sun Microsystems
http://www.sun.com/
「Open Sourcing the JDK」のサイト
http://community.java.net/jdk/opensource/
提供:Computerworld.jp