昇給率トップはプログラマー:米国IT関連職給与調査
この調査は、米国エンタープライズ・システムズ(ES)が行っている年次給与のリサーチである。その内容によれば、地域別では、米国北東部と西海岸のITスタッフが比較的高い給与を得ている。また、ESの年次給与調査では、3年連続で「アプリケーション・プログラマー」が最も注目されるIT職種となった。
実際、ESの調査によると、アプリケーション・プログラマーの平均年収は6万4,100ドルで前回と比べた伸び率はIT関連職の中で最高の8.7%だったという。それに対して、給与の伸び率が最も低かったのはシステム管理者で、今回は2%にとどまった。ただし、システム管理者の場合、平均年間賞与額については15%伸び、3,000ドルに達している。
また、今回のES調査では、アプリケーションとシステムを統轄するITスタッフの全職種で給与が2%から9%上昇している。ESでは、その理由として好調な米国経済を挙げている。
ストレージ管理者も厚遇の対象に
ESの給与調査は、http://www.esj.comで毎週火曜日に4回に分けて発表されることになっており、初回発表部分はhttp://esj.com/Enterprise/article.aspx?EditorialsID=2052で読むことができる。
ESの調査には、852社のITサイトから集められた情報が使われており、追跡対象となっているITマネジャーと専門職の給与額や管理職の給与データ(来週発表されるリポートではこのデータが中心になる)などが含まれている。
調査ではまた、アプリケーション/システム・アナリストやアプリケーション・プログラマー、システム・エンジニア、ネットワーク管理者、システム管理者、データベース管理者、ストレージ管理者など、さまざまなIT関連技術職の現状について詳しく語られている。また、今回の調査では、ストレージ・リソースのインストール/構成/セキュリティ/利用を統轄するストレージ管理者の給与情報が初めて盛り込まれた。
ESによると、多くの企業がこれらのスタッフを厚遇しており、企業と消費者間の環境(B2C環境)で働いているストレージ管理者の基本給は、IT関連職の平均給与額7万2,900ドルを12%上回っているという。他方、企業間(B2B)環境のストレージ管理者は、やや少ない6万7,000ドルだった。
なお、ESの調査回答者の25%は、政府や教育機関に勤務しており、ハイテク/ソフトウェア開発企業が14%、金融/保健企業が9%、製造業9%、サービスと医療がそれぞれ7%、公益企業/運送業が5%、小売業が4%となっている。
また、回答者の75%はWindowsサーバ環境のサポートを担当しているが、前回の79%から若干減っている。また、メインフレームを担当しているITスタッフは全体のおよそ21%で、やはり前回の28%から減少した。
このほか、商用UNIXを少なくとも1種類サポートしていると答えた回答者は41%に上り、そのうちミッドレンジ・クラスのシステムを稼働させている回答者は31%であった。かたやLinux環境を稼働させている回答者は、前回の30%とほぼ横ばいの31%だった。
IT関連の求人状況も改善
今回の調査回答者の多くは、IT関連の求人状況についても一昨年から昨年にかけて改善されたとしている。
この状況の補足として、ESは調査報告の中で、「企業全体のIT予算が増えているため雇用機会が増えている」、「Exchange環境でのモバイル・デバイスの扱いやソフトウェアの導入、利用計測、大容量ストレージ・システムの管理などに精通した技術者は、特に需要が拡大している」といった、回答者のコメントを引用している。
他方、アウトソーシング・サービス・プロバイダーで働いているITマネジャーによると、現在最も重視されている技能は、顧客に代わって問題を解決する能力だという。
また別の回答者は、「社内で最も高い給与を得ているのはデータベース管理者だが、その一方で管理職の給与は、あまり伸びていない」と答えている。
(ナンシー・ウェール/IDG News Service ボストン支局)
提供:Computerworld.jp