Intelの「Conroe」はチップ市場に変化をもたらすか

 Intelは7月27日、デスクトップPC用プロセッサの新製品「Core 2 Duo」および「Core 2 Extreme」(開発コード名:Conroe)を発表した。これを引き金に、プロセッサ市場では大幅な値下げが行われ、大量のデスクトップPCの新製品が登場することになる。

 米DellはConroeを搭載したデスクトップおよびワークステーション製品の発表を予定している。また、米Gatewayもゲーム用のハイエンド・デスクトップPC「FX510」にConroeを搭載する計画を明らかにしている。

 ライバルのAMDは、今後のシェア争いを懸念し、7月24日に同社のデスクトップ用プロセッサ「Athlon 64 X2」の一部モデルの価格を最大57%引き下げた。また、Intelが今週中に発表する次期ノートPC用プロセッサ「Merom」に対抗すべく、AMDはノートPC向けの「Turion 64」の価格も引き下げる計画だ。

 AMDはプロセッサ価格を抑えることで、デスクトップPC市場におけるシェア拡大を維持したい考えだ。米ガートナーによれば、AMDの出荷ユニット数の市場シェアは2004年第1四半期の19.1%から2005年第1四半期には20.6%に、そして2006年第1四半期には24.7%に伸びている。ちなみに、残りの市場はIntelが占めており、IBMが1〜2%あたりで低迷している。

 人員削減や低迷する売上げに頭を抱えるIntelは、これまで投資家に対して、デュアルコア・プロセッサの新ファミリー投入が問題解決の特効薬になると宣言していた。

 その新ファミリーの第1弾が、今年6月に出荷開始したサーバ用プロセッサ「Xeon 5100番台」(開発コード名:Woodcrest)であり、そして第2弾が、今回のCore 2シリーズとなる。

 IntelとAMDは製品の値下げ競争にビジネスの成否をかけているが、先週、両社とも第2四半期の業績見通しが下回ったと発表し、価格の引き下げが業績に響き始めていることを認めている。

 Intelが直面している課題の1つに、プロセッサ生産のスピード向上がある。米インサイト64のアナリスト、ネイザン・ブルックウッド氏は、「Intelは2006年第4四半期までに生産性のピークを迎えられなければ、新学期シーズンの販売チャンスを逃すことになる」と指摘する。

 また、同氏は、「Intelはこの数週間、次の新しいチップに期待してほしいと、Pentium 4をないがしろにする発言を行ってきた。しかし、Pentium 4を購入せずに済むだけの価値がConroeにあるかどうかについては疑問がある」と述べている。

 Conroeは、Intelにより高い競争力を与え、AMDの売上げに打撃を与えると目されている。だが、ブルックウッド氏は、ConroeにAMDの市場シェアを1ケタ台に押し込むまでの力はないと見ている。

(ベン・エームズ/IDG News Service ボストン支局)

米Intel
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提供:Computerworld.jp