Software Freedom Law Center、OpenDocumentの使用を是認

Software Freedom Law Center(SFLC)は、7月13日、OpenDocument Format(ODF)標準をフリーソフトウェアに使用することに問題はないと発表した。

ODFはOpenOffice.orgスイートで使われているため、多くのユーザーはフリーソフトウェアだと思っている。したがって、大方は今回の判断を当然と受け止めているだろう。しかし、SFLCの弁護士James Vasileは、問題は見かけほど単純なものではないという。「この場合もまた、主たる震源地はSunです。つまり、誰もがODFを使えるように、Sunがすべきことをしていたかどうかです。OpenOffice.orgを立ち上げたとき、Sunはこの点について考える必要はありませんでした」

「(結論に達するまでには)相当な作業が必要でした。問題点の由って来たる所を遡って特定し、(ODF仕様を)検討し、実際(GNU General Public Licenseなどのフリーソフトウェア・ライセンスに)抵触しないことを確認しなければならなかったのです」

SFLC会長Eben Moglenの説明によると、問題はODFを制定したOASIS(Organization for the Advancement of Structured Information Standards)の標準化手続きにあるという。OASISの手続きは「標準がフリーソフトウェア・ライセンスに抵触する可能性のある条件でライセンスされる」ことを許容しているため、ODF標準とフリーソフトウェア・ライセンスは相容れない可能性があったいうのだ。

そして、「フリーソフトウェアと相容れない技術標準」は実際いろいろあるが、ODF標準はそうではないという。

SFLCがこの問題を扱ったのは、一部の団体が、ODFがフリーソフトウェアと共存可能かどうかを判断する場としてSFLCが最も適切だと考えたからだ。SFLCのクライアントであるPlone Foundationだけでなく、SFLCとは協力関係にない団体の中にも、そういう意見があった。PloneのJoel Burtonは、SFLCは「この問題を検討するのに最も信頼できる場」だという。

因みに、PloneがODFに関心があるのは、単なる「バイナリーの塊」としてではなく、PloneコアでODFをサポートすることによりODFファイルから構造的情報を抽出し内容を表示し参照テーブルを作ることができるようにしたいからだという。

Vasileは、ODFのライセンス条件を調べるための作業は無駄ではなかった評価している。「ODFは多くの人が利用する標準ですから、多くの人に(法的状態に関する疑問についての)答えを提示することができました」。「フリーソフトウェア全体」にとって利益となる限り、SFLCはこの種の疑問を調査するにやぶさかではないとも述べた。

OASISの手続きに関して言えば、それによるOASIS標準がフリーソフトウェアに抵触するか否かは「個別的に検討する」ことになるだろうという。なぜなら、OASISには「標準を策定するトラックが幾つかありますから。(ODFを作った)トラックによる標準はフリーの可能性があります――OASISがこの方向に動き、フリーの標準を作れるようになったのは歓迎すべきことです」

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