EMC、ストレージ・アレイのネイティブ暗号化計画を明らかに

 米EMCは、RSA Security買収で取得するソフトウェア技術を利用して、自社のストレージ・アレイ上にデータ暗号化技術を組み込む計画に取り組んでいる。これは、ストレージ・アレイのCPUパワーを利用して暗号化および復号化プロセスを高速化することで、アレイをPKI(Public Key Infrastructure)プラットフォームへと変身させるというものだ。

 EMCのシニア・マーケティング・マネジャー、ロブ・サドウスキー氏によると、同社は12〜18カ月以内に製品を提供する見通しという。「現在、すべての自社製ディスク・アレイに暗号化を実装し、データが保存される実ボリュームを暗号化する最良の方法は何か、調査しているところだ」(同氏)

 サドウスキー氏は、暗号化エンジンのプラットフォームとして、自社のミッドレンジ製品ライン「CLARiiON」を選ぶのか、それともハイエンド製品ライン「Symmetrix」を選ぶのかについてはまだ決定していないとしている。

 ディスク・アレイ・システム本体に暗号化技術が実装されれば、ユーザーは、新たなプラットフォームや別機器の導入、コンフィグレーション、学習を行うことなしに、自社の標準的なソフトウェア管理ツールを使用してデータベース全体または複数データ・ボリュームを暗号化することが可能になる。

 さらに、暗号化はストレージ・アレイ・コントローラによって実行・処理されるため、ネットワークおよびサーバの負荷を最小限に抑えることができる。サドウスキー氏は、暗号化機能がストレージ・アレイの性能を低下させることが絶対にないようにしたいと強調している。

 EMCでは、RSAのPKI管理機能をアレイに組み込むことを計画している。これにより、ストレージ・アレイは、キー管理情報をバックアップし、キーを利用するユーザーを認証し、適切な関係者に適切なキーを提供できるようになる。

 「これらの機能は、データ管理者がデータベース内の機密データを参照するのをいかにして防止するか、複数部門あるいは同一ストレージ上の複数関係者(ビジネス・パートナーなど)が共有する情報の完全性をいかにして確保するかなど、一般的な問題に対応するものだ」(サドウスキー氏)

(シャロン・フィッシャー/Computerworld オンライン米国版)

米EMC>
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提供:Computerworld.jp