Trolltechの株式上場
プレスリリースによると同社の発行した750万株は、約300の法人および個人取引家に購入されたという。引受人による最終的な発行価格は16ノルウェークローネであり、これは約2.56ドルに相当する。
Trolltechの主力製品は、Qt開発キットおよびQtopiaという組み込みLinuxアプリケーション用のプラットフォームである。どちらの製品もGPLまたは占有ライセンスの下で利用が可能であり、後者の場合は個々の企業の開発するコードを商用アプリケーション中に使用できるが、その際にフリーソフトウェアとしてコードを公開する義務を負うことはない。
TrolltechのCEOを務めるHaavard Nord氏によると、同社は株主の意向に配慮する立場になったが、今後もカスタマ主体の活動を継続してゆくことに変わりはないと言う。「株主をカスタマより優先するようになるとは考えておりません」とNord氏は語る。「実際、弊社の株式はすでに過去6年にわたって、外部のベンチャーキャピタリストや戦略投資家の皆様により所有されています」。
Nord氏の説明では、今回のIPOに起因する収益によってTrolltechは新製品に向けた研究開発活動が可能となり、結果的により多数のツール群を提供してカスタマの選択肢を増やすことができると言う。「弊社の目的は、最先端の技術をベースとした革新力を常に発揮していくことです」と同氏は語る。また他の企業を吸収したり、既存のブランド力を活用するなどの活動を介して、Trolltechが将来的に発展する機会も、今回のIPOによる資金獲得で増えるはずだとのことである。「経済的基盤が強化されることは、弊社の知名度の向上を始め、すでに確保している市場での競争力の強化につながるはずです」と同氏は語る。「他の企業も、こうした動きに出てくるでしょう」。
木曜日の夕方までにTrolltechの株価は上昇を続け、Oslo Børsでの株価は21ノルウェークローネ(3.37ドル)に達している。
NewsForge.com 原文