AMD、32億ドルを投じ米国内に32nmチップ工場を新設へ

米AMDは、32億ドルを投じて米国ニューヨーク州に、32nm(ナノメートル)プロセス技術で300mmウェハを生産する半導体製造工場を新設する計画だ。6月23日にニューヨーク州と同社が共同声明で明らかにした。

 ニューヨーク州ではこの新工場に対し、無償資金援助、研究開発助成金、税金控除の現金弁済を含め、約9億ドルの支援を行うという。ニューヨーク州知事のジョージ・パタキ氏は、工場の新設により、約1,200人の雇用と関連する仕事が創出されると語った。

 工場の広さは120万平方フィートで、ニューヨーク州サラトガ郡にあるルーサー・フォレスト・テクノロジー・パーク内に建設される。着工時期は2007〜2009年、完成時期は2012〜2014年の予定だ。これは、米国内に建設される半導体チップ製造工場の第1号となる。

 32nmプロセス技術で生産されるプロセッサのコンポーネント(回路やトランジスター)は現行の90nmプロセス技術に比べ、はるかに微細なものになる。

 AMDは今年5月、ドイツのドレスデンでのチップ製造事業拡張のために25億ドルを投じると発表した。200mmウェハから300mmウェハへの生産の切り替えや、300mmウェハ・チップ生産能力の拡大が含まれている。

 AMDによる工場の新設や増強は、PC向けやサーバ向けのプロセッサの需要に対応するもの。近年、同社は業界トップであるインテルの市場シェアを、特にx86サーバ向けチップで侵食しつつある。

 なお、米国半導体工業会(SIA)が今月示した最新の予測では、2006年の世界の半導体売上高は前年比9.8%増の2,496億ドルになる見通しという。

(シェリー・ソルヘイム/IDG News Service ニューヨーク支局)

米AMD
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提供:Computerworld.jp