ウイルス:オープンソースの「OpenOffice」を狙う新種

フィンランドのF-Secureは2日(現地時間)、オープンソースの統合ソフト「OpenOffice.org」を狙うウイルスが現れたと発表した。OpenOfficeは、Microsoftの「Office」の対抗馬として人気を集めているが、利用者が増えたのに伴って狙われ始めた。「Stardust.A」と名付けられたが、感染が広がる恐れはないという。

 OpenOfficeは「Office」と同じように、ひと続きの操作を自動化できる「マクロ」機能があるが、これを悪用したマクロウイルスと呼ばれるタイプ。OpenOfficeで作成したワープロ文書などに、マクロを仕込んでばらまき、文書を開くとアダルト画像をダウンロードして表示するように仕掛けていた。英Sophosによると、画像はポルノ女優のシルビア・セイントで、同社はウェブサイトに画像を掲載した。

 ただ、ウイルスは思惑通りに動かず、「intended」(未完成)と認定された。いわゆる「コンセプト実証型」と呼ばれるタイプで、新しい発想を誇示するのが主目的。インターネットに出回っていない。

 OpenOfficeの開発チームは声明を発表し、大きな心配はないと強調した。文書を開く時に、マクロが仕込まれていれば警告が表示され、同意しない限り実行されないと説明している。

 OpenOfficeの製品版で、米Sun Microsystemsが販売している「StarOffice」(日本での商品名はスタースイート)も感染対象となる。ウイルスは、StarOfficeのマクロ言語「StarBasic」で作成されていた。【南 優人/Infostand】

F-Secure: http://www.f-secure.com/

Sophos: http://www.sophos.com/