FUDと利益のための訴訟(2003年8月8日(金))

米SCO Groupは今週も、特にIBMに対する訴訟に関して、記者会見漬けの日々から抜け出すことができなかった。月曜日にRed HatがSCO Groupを提訴したのに続いて、水曜日にはIBMも同社を提訴した。どちらの提訴もSCOにとって予想外だったようである。

SCO GroupのCEOであり、同社が現在押し進めている「FUDと利益のための訴訟」というビジネスプランの明らかな立案者でもあるDarl McBrideは、これを「法と秩序」対「知的所有権泥棒」の闘いという構図に仕立て上げ、企業からの支持を得ようと努めてきた。SCO Groupがそのどちらの立場にあるかに関して、特に同社が独自のLinuxライセンスを発表してからというもの、大きな議論になっていることは気にするまでもない。SCO Linuxライセンスの販売戦略は、ライセンスを購入しないLinux 2.4以降の商用ユーザを訴えるという脅しで成り立っている。

火曜日の記者会見で、McBrideは「ここで争点となっているのは、インターネットの時代に知的所有権が何らかの価値を持つのかどうかという点だ。インターネットの時代には、正当な所有権に配慮することなく知的所有権を安易に盗用できる」と述べた。さらに彼は「Linux企業はそれを助長しているようであり、『聞かざる言わざる』ポリシーを中核とする無保証のソフトウェア・コードの販売を中心に据えたビジネスモデルすら構築してきた」と付け加えた。そして、「我々の社会は、知的所有権を所有者の手元に残すのか、それともLinuxのように、すべてのソフトウェアをGPLの下で配布するというRichard Stallmanの理念に従って共有財産にするのかを決める重要な論争をしている」と締めくくった。

水曜日の夕方に、IBMは4件の個別の特許権侵害についてSCOを反訴し、この状況に侮辱と皮肉を付け加えた。巧みな弁舌に隠されてはいるが、SCO Groupの対IBM訴訟は契約論争であることを忘れてはならない。SCOの目眩まし作戦と違い、IBMの訴状にはSCOがどの特許権を侵害したかが暗に記載されている。

IBMの提訴を受けて昨日発表されたSCOのプレスリリースでは、この懸案に焦点を当てるよりも、相変わらずLinuxのビジネスモデルとライセンスを攻撃するという、同社が週の初めに開始したテーマが続行された。

SCOは、「我々はIBMが本日提出した反訴を、同社の欠陥のあるLinuxビジネスモデルから注意を逸らすための行動と見ている。この反訴は、今週初めにRed Hatが提出した同じように根拠のない主張を繰り返したものである。IBMがLinuxの本当の問題に真摯に取り組むつもりなら、顧客に対して完全な免責を提示し、GPLライセンスを放棄するはずである」と述べた。

McBrideは、自分が抱えている問題を必ずしもきちんと把握していないように見えることがあるが、Red HatとIBMによるこれらの「奇襲」に対する彼の不満げな様子を見ると、彼は今回の訴訟の重大性を確かに理解している。つまり、SCO Groupには最大で2年の余命しかないということである。それまでに訴訟は法廷で審議され、噂と中傷を操るSCOの怪しげな余興は突然終演を迎えるだろう。