TorサーバーのRust実装「Arti 1.0」が公開
TorサーバーのRust実装「Arti」の開発チームは9月2日、初の正式版となる「Arti 1.0.0」を発表した。運用環境で使用できる安定性を備えるという。
ArtiはMozillaが2020年に開始したTorプロトコルのRust実装。TorはCで実装されているが、2001年にスタートしたこともありコードは古く、制限が課題となっていた。これは開発スピードを鈍化させていただけでなく、しっかりしたモジュラー設計ではなかったという。プロジェクトは現在、Rust Foundationを母体とする。
Rustは独立してメンテナンスされており、性能、安全性などを特徴とする。2017年にC TorコードベースにRustを加える実験を開始し、2020年にプロジェクトにした。2021年にはZcash Community Grantsに選ばれ、助成金の支給を受けた。同年10月に0.0.1をリリース、2022年3月に0.1.0を公開していた。1.0ではAPIの安定性を強化し、設定システムの安定性も強化した。ブートストラップの堅牢性を改善した。ブートストラップのステータスをレポートする堅牢なレポーティング機構を導入、アプリケーションは問題を検出し、診断できるという。
arti proxyを使ってTorネットワークに接続し、自分のネットワーク接続を匿名化できる。C実装と同レベルのクライアント主導のセキュリティがあるとしており、ブラウザは通常のブラウザではなくTor Browserを使うよう推奨している。