「Yocto Project 4.0」が登場
The Yocto Projectは4月27日、組み込みLinuxディストリビューション構築システムの最新のメジャーリリースとなる「Yocto Project 4.0」(”kirkstone”)を公開した。
Yocto ProjectはカスタムのLinuxベースのシステムを構築するためにツール、テンプレートなどを提供する。IoT端末、サーバー、仮想環境など、ハードウェアアーキテクチャに依存しない組み込みシステムを構築できる。プロジェクトはLinux FoundationのCollaborative Projectとして運用されている。Yocto Project 4.0は、2019年に公開された3系に続くメジャーリリース。
Linuxカーネルが長期サポート版の5.15となり、glibc 2.35など300近くのレシピがアップデートされた。rust-llvmとgolangで再現性の問題を修正した。OpenEmbedded-Coreのレシピも再現性をフルでサポートし、オプションのreproducibleクラスにあった機能が土台のクラスにマージした。
ビルドの一貫性を確実にするために必要と思われる部分以外のタスクで、ネットワークアクセスがデフォルトで無効化された。自動ビルダのShared Stateキャッシュを再利用するようになった。Yoctoのサーバーと開発者のマシン間のネットワーク接続が、ソースからレシピを構築するよりも高速である場合、キャッシュを使ってビルドを高速化できるという。sstateも改善し、Gzipに代わってZStandard(zstd)を用いることで、性能を改善するという。新しいレシピとして、Python 3のレシピが多数加わった。パッケージ管理のBitBakeも強化した。このほか、多数の強化が加わっている。
The Yocto Project
https://www.yoctoproject.org/