Spotify、オープンソース開発者を支援する10万ユーロのファンド「Spotify FOSS Fund」を発表
音楽ストリーミングサービス大手のスウェーデンSpotifyは4月22日、オープンソースプロジェクト支援イニシアティブ「Spotify FOSS Fund」を発表した。規模は10万ユーロ(約1372万円)でスタートし、オープンソース開発者に”お返し”をするとしている。
Spotify FOSS Fundは、フリー/オープンソースがプロジェクトのメンテナーに報酬を支払うことを目的としたファンド。プロジェクト全体ではなく、開発者の報酬に目的を限定している点が特徴となる。なお、10万ユーロという金額については、スタート段階の金額と説明している。
対象プロジェクトはSpotifyの開発者が推薦し、Spotifyのリポジトリの依存性データも評価対象とする。その後、Spotify FOSS Fund委員会が最終的に対象プロジェクトを選考。5月に選考結果を発表する予定という。選考基準として、独立して運営されている、Spotifyの企業理念に一致する、アクティブにメンテナンスされている、財務支援が意味のある形でメリットをもたらす、などを挙げている。なお、Spotifyの従業員が運営するプロジェクトは除外となる。
Spotifyはオープンソース技術を活用しており、自社でも200以上のツールをオープンソースとして公開している。その中には、先にCloud Native Computing Foundation(CNCF)のインキュベーションプロジェクトとなった開発者ポータル構築のためのプラットフォーム「Backstage」などがある。「コミュニティが成長に合わせて継続して繁栄するために、我々も支援を拡大したい」と今回のファンドの意図を説明している。オープンソース開発者と報酬という点では、今年初めにfaker.jsのメンテナーが自らライブラリを破損させるという事件があった。この開発者は、自身の無償の作業を大企業は支援していないという不満を漏らしていたと言われている。
スウェーデンSpotify
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