リンカー「mold 1.1」が公開、LOTをネイティブサポート
モダンなリンカー「mold」を開発するRui Ueyama氏は2月21日、最新版となる「mold 1.1」を公開した。
moldはC++20で作成されたリンカー。高速なアルゴリズム、効率の良いデータ構造を使い、並列処理を進めることで、高速性を実現する。 mold 1.1は2021年12月に公開されたバージョン1.0に続く最新安定版。
ネイティブのLTO(リンク時最適化)サポートが加わった。これまではGCC IRファイルまたはLLVM IRファイルを検出時は、ld.bfdまたはld.lldをつかてLTO対応リンかーにタスクを委任していたが、moldが直接IRファイルを処理できるようになった。 RISC-V(RV64)のサポートがホストとターゲットの両方で実現した。
インプットセクションの順番をランダムにシャッフする–shuffle-sectionsをはじめ、-emit-relocs、–print-dependencies、–print-dependencies=fullなどのオプションが加わった。 xxhashの全ての関数をインライン化することでlibxxhashのランタイムの依存性を制限した。 このほか、バグの修正や互換性の強化も加わった。
mold 1.1はプロジェクトのWebサイトより入手できる。1.1よりソースに加えてLinux向けに事前コンパイルされたバイナリも公開している。