オープンソースのオブザーバビリティプラットフォーム「Grafana 8.4.0」が公開

 米Grafana Labsは2月17日、オープンソースのモニタリングデータ可視化技術の最新版「Grafana 8.4.0」公開を発表した。

 Grafanaはログデータ可視化ツール。ログだけでなく、メトリクス、トレースと種類を増やし、オブザーバビリティ(可観測性)プラットフォームと位置付けを拡大している。ソースはPrometheus、Loki、Elasticsearch、InfluxDB、Postgreなどをサポートする。ライセンスはAGPL-3.0。オープンソース版のほか、商用版のEnterpriseエディションも提供する。  Grafana 8.4は、2021年6月に公開されたバージョン8系の最新安定版。

 GrafanaのトレースでOpenTelemetryを設定できるオプションが加わった。エンドポイントとデータベースのリクエストのトレースをJaegeerなどにエクスポートできるもので、これまでOpenTracingを用いていた。OpenTracingが非推奨となったことから、今後はOpenTelemetryへの移行を進めるという。

 アラートでは、WeComに通知を送るためのコンタクトポイントを設定できるようになった。コミュニティから要望が多かったというミュートタイミング設定が加わった。通知オフとは異なり、通知が生成・送信されない時に再発の時間間隔を定義できる。このほか、アラートパネルで、カスタムラベルのグループ化ができるようになった。  リンクを使ったプレイリストの共有が可能になった。これにより、複数のデバイスで同じプレイリストを設定できる。パネルタイトルで$__intervalと$__interval_msを用いることができるようになった。編集モードを立ち上げることなく、パネルのインターバルを表示できるという。

 8.3で加わったエンベロープ暗号化サポートを強化し、キー暗号化キー(KEK)のローテーションが可能となった。セキュリティ侵害時にKEKをローテーションしてデータ暗号化キー(DEK)をすぐに再暗号化できるという。なお、エンベロープ暗号化はデフォルトでは有効ではなく、設定画面より有効にする必要がある。  パネルではバーチャート、ジオマップなどが強化された。このほか、細かな機能が多数加わっている。

Grafana
https://grafana.com