約10年ぶりのメジャーリリース「Slackware 15.0」が公開
Linuxディストリビューション「Slackware」開発チームは2月2日(米国時間)、最新版となる「Slackware 15.0」の公開を発表した。約10年ぶりのメジャーリリースとなり、Slackwareの特徴を維持しつつ最新の技術を取り込んだとしている。
Slackware1992年からという長い歴史をもつLinuxディストリビューション。Slackware 15は、2012年10月に公開したSlackware 14に続くメジャーリリースとなる。
LinuxカーネルはLTS(長期サポート版)の5.15を採用、デスクトップ環境はWaylandをサポートしたKDE Plasma 25th Anniversary Edition(KDE Plasma 5.23.5)を搭載した。あわせて、Slackwareでも、X11に加えてWaylandもサポートした。デスクトップ環境はXfce 4.16も利用できる。 ユーザーのセッション管理をConsoleKit2からelogindに切り替えた。これにより、他のInitシステムをターゲットとするソフトウェアのサポートが容易になり、XDG標準に歩調を合わせやすくなるという。
PAM(Pluggable Authentication Module)をユーザー認証に採用、シャドウパスワードのサポートを削除したことを受けてのものとなる。 サウンドサーバーではPulseAudioの代替として、PipeWireを加えた。デフォルトのメールハンドラーが、Sendmailに代わってPostfixとなった。Sendmailは/extraディレクトリより利用できる。imapdとipop3dに代わり、Dovecot IMAPおよび POP3サーバーを使うようになった。 Qt4のサポートがなくなり、Qt5に移行した。Rust、Python 3などをサポートし、多数の新しいライブラリも導入した。
パッケージ管理ユーティリティのpkgtoolsも強化し、ファイルロックなどの機能を実装した。ストレージに書き出すデータ量も最小化するという。 最新版ではまた、make_world.shというスクリプトを初搭載した。ソースからOS全体を自動で再構築することができるスクリプトとなる。インストーラーを容易に再構築するスクリプト、カーネルパッケージを構築するスクリプトも加わった。 このほかにも、多数の機能強化が加わっている。
Slackware 15はx86(32ビット、64ビット)、S/390などに対応、FTPサイト、ミラーサイトより入手できる。ARM向けも公開する予定としている。
Slackware
http://www.slackware.com