高速なリンカー「mold 1.0」が公開

 モダンなリンカー構築を進めるmold開発チームは12月15日、初の正式版となる「mold 1.0」を公開した。既存のUNIXリンカーのドロップインリプレースとして使用できるという。

 moldは、高速さを最大の特徴とする新しいリンカー。C++20で作成され、高速なアルゴリズム、効率の良いデータ構造を使い、並列処理を進めることで、高速性を実現する。GNU gold、NNVL lldと比較した場合、Chrome 96/1.89GiBではGNU goldが53.85秒、LLVM lldが11.74秒であるのに対し、moldは2.21秒。GNU goldの約27倍、LLVM lldの5倍と報告している。

 公開された正式版は、Linuxに対応。デフォルトのGNUリンカーのドロップインのリプレースとして、ほとんどのユーザーランドプログラムで使用できるという。

 今後は他のOSの対応も進める。現在macOS向けを開発中で、macOS向けが完成後にバージョン2.0を公開する。Windows向けはバージョン3.0で対応する予定とのこと。  moldはプロジェクトのWebサイトより入手できる。現時点ではGNU AGPL v3で公開されている。

mold
https://github.com/rui314/mold