オープンソースアワード「Bossie Award 2021」発表、Svelteなど28種が選出

 IT情報誌InfoWorld(米IDC Communications)は10月18日、優れたオープンソースプロジェクトを選ぶ年次アワード「InfoWorld 2021 Best of Open Source Awards(Bossie) Awards」を発表した。

 InfoWorld Bossiesは、InfoWorldの編集者とレビュー専門家が中心となって、企業やプロフェッショナルユーザー向けの優れたオープンソースソフトウェアを選ぶアワード。15回目となる今年は、ソフトウェア開発、DevOps、データアナリティクス、機械学習の4分野にフォーカスし、合計28のオープンソースを選出した。

 「Svelte」はフロントエンドのJavaScriptフレームワーク。コンパイル時に行うという手法をとることで高速性、省コードなどを実現する。フルスタックとして「SvelteKit」(ベータ)を用意する。サーバーレス環境への実装などの点も評価されて受賞となった。

 「Minikube」は、デスクトップで動くKubernetesクラスタのミニチュア版。仮想マシンは不要で、ネイティブコンテナまたはベアメタルを使って開発できる。Docker Desktopのライセンス体系変更による、無償の代替としての受け皿になるとInfoWorldは見ている。

 Kubernetes関連では、Kubernetesアプリケーション向けのオブザーバビリティツール「Pixie」も選ばれた。クラスタのサービスマップ、アプリケーショントラフィックなどハイレベルな情報を得られる。eBPFを使ってテレメトリデータを自動収集してローカルに保存し、クラスタCPUの使用率は5%以下という。

 Pythonフレームワークの「FastAPI」も受賞した。型ヒント、非同期などの特徴により、DjangoやFlaskなど既存のPythonフレームワークと比較して開発と実行速度に優位性があるとしている。インメモリでのアナリティクス向けプラットフォームの「Apache Arrow」、Apache Lucene上に構築したエンタープライズ検索プラットフォームの「Apache Solr」も選ばれた。

 プログラミング言語として、先に1.0リリースを果たした「Crystal」が選ばれた。C言語のスピードとRubyの表現性の両立を目標としており、静的型付けとLLVMコンパイラを用いる。このほか、米Microsoftのターミナルアプリケーション「Windows Terminal」、ストリーミング配信ソフトウェア「OBS Studio」なども選ばれた。