「QEMU 6.1」が公開

 汎用マシンエミュレーター「QEMU」の開発チームは8月24日、「QEMU 6.1.0」を公開した。

 QEMUは汎用のマシンエミュレーターおよびバーチャライザー。Linux/BSDターゲット向けのプログラムを対応する任意のアーキテクチャで動かしたり、任意のマシンでOSを動かすことができる。仮想化では、KVMおよびXen仮想マシンをネイティブに近い性能で動かすことができる。 QEMU 6.1は4月に公開された6系の最新安定版。

 ブロックデバイスバックエンドを強化、NBDクライアント接続のコードをリファクタリングし、バックエンドのタスクとして運用するようになった。ブロックノード作成後にオプションを変更するblockdev-reopenコマンドが加わった。メモリバックエンドでは、MAP_NORESERVEフラグを使ってメモリをマッピングできるプロパティreserveが加わった。TCG(Tiny Code Generator)プラグインでは、不具合の修正のほか、キャッシュモデリングなど新しいプラグインを導入した。

 x86では、XSAVES命令セットを持つIntel CPUモデルのサポートが加わり、AMD仮想化拡張のエミュレーションも改善した。PowerPCでは、CPUカウントの上限が増えるなどpseries関連で多数の強化が加わった。一部のPOWER10の命令プレフィックスをサポートした。RISC-VではOpenTitanプラットフォームのサポートが新しくなり、virtio-vgaのサポートも加わった。このほか、ARM、s390などのアーキテクチャでも細かな強化が加わっている。

QEMU
https://www.qemu.org