「OpenSSH 8.7」が公開

 SSH 2.0互換の「OpenSSH」開発チームは8月20日、最新版となる「OpenSSH 8.7」を公開した。SFTPプロトコルの実験的サポートなどが加わっている。

 OpenSSHはSSHプロトコルの実装で、SSHを使ったリモートログインのためのツール集。The OpenBSD Foundationのプロジェクトとして開発が進んでいる。SSH 2.0と完全互換で、SSHプロトコルを使ったリモートログインなどの接続性を確立できる。OpenSSH 8.7は4月に公開されたバージョン8.6に続く最新版。

 scp(1)で、実験的にSFTPプロトコルをサポートした。SFTPはより予測できるファイル名処理ができ、glob(3)パターンの展開を必要としないなどのメリットがあり、SCP/RCPプロトコルの代替と位置付けている。将来的にはデフォルトの転送モードにするが、現時点では実験扱いであるため、利用するには-sフラグを付ける必要がある。

 互換性のない変更として、リモートーリモート間のコピーの振る舞いを変更し、デフォルトでローカルホストを経由するようになった。これまでにも-3フラグで可能だった振る舞いだが、これにより、転送元の認証情報を開示する必要がなくなり、シェルによるファイル名の三重解釈も防ぐことができるという。

 ssh(1)/sshd(8)で、クライアントとサーバーの両方で、より厳格な設定ファイルパーサーを用いるようになった。クオート、スペース、エスケープ文字に対してシェル風のルールを使い、引数のないオプションを含む設定を拒否するようになった。ssh_configにSessionTypeディレクティブが加わり、設定ファイルがコマンドラインでの-Nと-sと同様の制御ができるようになった。また、コマンドラインの-nと同様のことを行うStdinNullディレクティブがssh_config(5)に加わった。このほか、多数の細かな機能強化が加わっている。

OpenSSH
https://www.openssh.com/