オープンソースの構成管理「Ansible 4」が公開
オープンソースの構成管理「Ansible」の開発チームは5月19日、最新版となる「Ansible 4.0.0」コミュニティ版の公開を発表した。
AnsibleはOS環境やソフトウェアの設定などの自動化フレームワーク。事前に用意した設定ファイルに従ってソフトウェアのインストールや各種設定を自動的に実行できる。Red Hat(米IBM)は2015年に買収により同技術を取得している。Ansibleは2019年より再編成を進めており、バージョン2.8より、Coreエンジン、Coreモジュールとプラグイン、コミュニティモジュールとプラグインなどをAnsible Content Collectionsとして配信している。実装形式としては、Coreエンジン、Coreモジュールとプラグイン、コミュニティモジュールとプラグイン、一部のパートナーが開発したモジュールとプラグインをCollections経由で提供する実装方式(Red Hatのサポートはなし)、それにRed Hat Ansible Automationの下でRed Hatがサポートするエンタープライズの2種類がある。2月のAnsible 3.0コミュニティパッケージの公開以来、セマンティックバージョニングを導入しており、Ansible 4.0はそれに沿ってリリースされる最新版となる。
最新版では、ansible-coreパッケージのメジャーアップデートとなるAnsible Core 2.11を搭載した。Ansible Coreは最小のAnsible言語とランライムで、2.10よりansible-baseからansible-coreに名称変更している。Ansible 3系ではAnsible Base 2.10.xだったため、coreプレイブック言語に後方互換性のない変更が加わっているかもしれないと留意している。プロジェクトではPorting Guideを用意している。Ansible Coreでは、–forceフラグを使うことなくCollectionの最新版を再インストールできるようになった。また、ローカルフォルダと名前空間フォルダからAnsible Collectionをアップグレードできるようになった。Galaxyサーバーからは、ansible-galaxy collection installの–upgradeオプションでAnsible Collectionsをアップグレードできる。
ロールやテストでも変更が加わっている。特にテストでは、centos6で走り、デフォルトのテストコンテナは、PyPIプロキシコンテナを使ってPyPIにアクセスできる(Python 2.6使用時)。これにより、PyPIが非SNI(Server Name Indication)クライアントのサポートを打ち切っても、Python 2.6を使ったテストを実行できるという。このほかにもバグの修正や細かな機能強化が加わっている。
Ansible
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