カスタムLinuxシステム構築システム「Yocto Project 3.3」が公開

 カスタムLinuxシステムを構築するコラボレーションYocto Projectは4月21日、最新のビルドシステムとなる「Yocto Project 3.3」(”Hardknott”)の公開を発表した。

 Yocto Projectは、Linuxベースのカスタムシステムを構築するためのツール、テンプレート、手法を提供するコラボレーションプロジェクト。IoT端末、サーバー、仮想環境などハードウェアアーキテクチャに依存しない組み込みシステムの実装ができる。Yocto Project 3.3は2019年に公開された3系の最新版として、4月19日に公開された。

 Linuxカーネル5.10、glibc 2.33など、約280件のレシピがアップデートされた。glslang、gst-devtoolsなど新しいレシピが多数導入された。OpenEmbedded(OE)コアメタデータを含むOE-Coreレシピが、ディストロやビルドロケーションに関係なく再構築できるようになった(Golangレシピなど一部を除く)。リンク時最適化を有効にするmeta/conf/distro/include/lto.incが加わった。リファレンスビルドシステムPokyでは、poky-tinyのサイズを15%以上削減し、サイズ最適化がデフォルトで有効になった。ビルドエンジンのBitBakeも強化し、Azure Storageフェッチなどが加わった。

 アーキテクチャ別の強化として、qemuriscv32とqemuppc64のサポートが加わった。カーネル関連では、dtcフラグをパスするKERNEL_DTC_FLAGSが加わった。

 このほか、多数の細かな機能強化が加わっている。

Yocto Project
https://www.yoctoproject.org