「Xen Project Hypervisor 4.15」が公開

 オープンソースのハイパーバイザーを開発するXen Projectは4月8日(米国時間)、最新版となる「Xen Project Hypervisor 4.15」の公開を発表した。

 Xen Project Hypervisorは、オープンソースのハイパーバイザーソフトウェア。元々はXen Sourceで開発され、これを取得した米Citrix Systemsが2013年にLinux Foundationに寄贈、現在Linux Foundation下でホスティングされている。Xen Project Hypervisor 4.15は、2020年7月に公開されたバージョン4.14に続く最新版。

 ARMサポートを強化し、起動時に最初に実行するdom0(ドメイン0)でデバイスモデルとして動かすことができる(テックプレビュー)。これにより、ARMゲスト向けに任意のデバイスをエミュレーションできるという。また、SMMUv3のサポートもテックプレビューとして導入した。ARMシステム上のデバイスパススルーのセキュリティと信頼性を改善するという。

 dom0で、米Intelのパフォーマンス監視Intel Processor Trace(IPT)データをゲストからツールに出力できるようになった。VMI Kernel Fuzzer forXen ProjectやDRAKVUF Sandboxといったツールが利用できる。レガシーのPV(準仮想化)ゲストをHVM(ハードウェア仮想マシン)オンリーのシステム上でサポートする”PV Shim”モードを強化し、HVM固有のコードのファクタリングを通じて軽量化を進めた。容量が小さくなっただけでなく、PVオンリーのビルドのセキュリティも改善するとしている。Xenstoredとoxenstoredの両方で、再起動することなくセキュリティ修正を適用できるライブアップデートをテクニカルプレビューとして導入した。パッケージを強化し、単一のEFIバイナリでのXenブートに必要なファイルをバンドルしたイメージを作成できる機能が加わった。これにより、Grubマルチブートではなく、単一のEFIバイナリからXenシステムを起動できるようになるという。

 このほか、進行中のコミュニティベースの作業として、Functional Safetyに関連した仕様の開発、VirtIOドライバーの開発、RISC-Vアーキテクチャのポートに向けた作業も進んでいると報告している。

Xen Project
https://xenproject.org