「CentOS」終了への対応として、Red HatがRHELの無償オプションを拡充

 Red Hat(米IBM傘下)は1月20日(米国時間)、「Red Hat Enterprise Linux」を最大16システムまで無償で実装できる新プログラムを発表した。2020年末の「CentOS Linux」打ち切り時に予告された「様々なユースケース向けの低コストまたは無償のプログラム」のひとつであり、今後もオプション拡充を進めて行くとしている。

 2020年12月8日、Red Hatは自社が出資するRed Hat Enterprise Linux互換のディストリビューション「CentOS」についての開発方針の変更を発表していた。新しい方針では、「CentOS Linux」のバージョン8を2021年に終了し、今後はローリング方式の「CentOS Stream」に開発を集中させるというもの。方針変更について、「Red HatとCentOS Projectの理事会はCentOS StreamはLinuxのイノベーションを推進する最適な方法と判断した」としているが、「一部に混乱が起きてしまったことも認める」と記している。

 最新のプログラムとして発表したのは、「No-cost RHEL for small production workloads」「No-cost RHEL for customer development teams」の2つ。

 No-cost RHEL for small production workloadsは無償でRHELを実装できるもの。無償サービスはRed Hat Developerプログラムで以前から提供してきただが、単一マシンかつ開発用途での実装に限定されていた。今回、「小規模な運用環境向け」として個人開発者のサブスクリプションで最大16システムまで運用環境で動かすことができるように拡大する。組織またはチームでは利用できない。プログラムは2月1日より開始する。

 No-cost RHEL for customer development teamsは、開発者プログラムを個人からチームに拡大するもので、既存顧客内の開発チームがプログラムのメリットを享受できるようにする。これにより、既存のサブスクリプションに無償で開発チームを加えられるようになる。Red Hat Cloud Access経由でもRHELを実装できるほか、Amazon Web Services(AWS)、Google Cloud Platform、Microsoft Azureなどのパブリッククラウド上で動かすこともできる。

 Red Hatではこれを第一弾と位置付けており、今後もRHELに容易にアクセスできる方法を追加して行くとしている。2月中旬にアップデートする計画だと言う。

Red Hat
https://www.redhat.com/en
New Year, new Red Hat Enterprise Linux programs: Easier ways to access RHEL
https://redhat.com/en/blog/new-year-new-red-hat-enterprise-linux-programs-easier-ways-access-rhel