WebAssemblyランタイム「Wasmer 1.0」公開
米Wasmerは1月6日、WebAssemblyランタイム「Wasmer 1.0」公開を発表した。WebAssemblyをコンテナ化とソフトウェア実行にとって重要な技術と位置づけ、”ユニバーサルなWebAssmblyランタイム”を目指す。
WasmerはサーバーサイドのWebAssembly(Wasm)ランタイムで、Nginxサーバーサイドを動かすことができる。WASI(WebAssembly System Interface)とEmscriptenをサポートし、公式のWebAssemblyテストスイートをパスしている。開発者は好きな言語とツールを使ってWebAssemblyベースの軽量なコンテナを作成し、任意のOSで動かしたり、他の言語に組み込むことができるという。
Wasmerを使うことで、サンドボックス化された環境でネイティブに近い速度で安全にWebAssemblyを動かすことができる。OSとハードウェアアーキテクチャへの依存がなく、LLVM、Creaneliftといったコンパイルフレームワークを使うこともできる。これらの特徴により、ユニバーサルなWebAssemblyランタイムを目指す。
プロジェクト誕生から2年目での正式版公開となる。Wasmファイルを事前コンパイルするコマンドwasmer compileを導入、wasmer compile –nativeを使ってWebAssemblyモジュールをネイティブオブジェクトファイル(.so、.dylib、.dllなど)にコンパイルできるようになった。このほか、並列コンパイルによる性能、IoT向けのヘッドレスなどの機能も加わり、APIも安定扱いとなった。エラーレポートと処理も強化し、Appleシリコンのサポートも加わった。
Wasmer 1.0はプロジェクトのWebサイトより入手できる。ライセンスはMIT License。
Wasmer
https://wasmer.io