「Fedora 33」が公開、デスクトップのデフォルトファイルシステムがBtrfsに

 The Fedora Projectは10月27日、無償のLinuxディストリビューションの最新版「Fedora 33」の一般公開(GA)を発表した。

 FedoraはRed Hat(米IBM傘下)が支援するコミュニティ向けLinuxディストリビューション開発プロジェクト。Red Hat Enterprise Linuxと比較すると最新機能を取り込んでいる点が特徴で、半年サイクルでリリースが行われている。

 Fedora 33は4月に公開されたバージョン32に続く最新版となる。Linuxカーネルは5.8をベースとする。デスクトップにフォーカスしたFedora Workstation、コンテナ化されたワークロード向けのミニマルなFedora CoreOSに加えて、新たにFedora IoTがエディションに昇格した。IoTとエッジコンピューティング向けで、ハードウェアのセキュリティ機能や暗号サービス向けの共通APIであるPlatform AbstRaction for SECurity(PARSEC)をサポートした。

 デスクトップ環境はGNOME 3.38を採用した。新規ユーザーに主要な機能をガイドするTourアプリケーションを用意し、高度ユーザーや開発者向けには、デスクトップ仮想化ツールのBoxesで仮想マシンのlibvirt XMLを直接編集できるようになった。ユーザーインターフェイスでは提供されていない高度な設定が可能になるという。デスクトップのデフォルトのファイルシステムが、これまでのext4からBTRFSとなった。Python 3.9、Ruby on Rails 6.0、Perl 5.32、LLVM 11など、プログラミング言語やシステムライブラリパッケージも最新のものになった。Fedora KDEでは、バージョン32で導入したEarlyOOMが有効となり、低メモリ環境でのユーザー体験を改善するとしている。

 デフォルトのテキストエディタにGNU nanoを採用した。新規ユーザーにも親しみやすいとしている。パワフルな機能を使いたいユーザーはviなどに切り替えることができる。ハードウェアアーキテクチャでは、AArch64でも.NET Coreを使えるようになった。

 3エディションに加えて、様々なユースケースに対応するFedora SpinsとLabs、Amazon Web ServiceのAWS Marketplaceなどで提供するクラウドイメージも用意する。

The Fedora Project
https://getfedora.org/