新型コロナでアプリ開発予算が削減、注目集めるオープンソース技術ーー米Tidelift調査

 米Tideliftは10月7日、年次オープンソース技術調査の最新版となる「2020 The Managed Open Source Survey」を発表した。新型コロナウイルス感染症(「COVID-19」)で予算が圧迫する中、オープンソースの利用増に踏み切る企業が増えていることがわかった。

 Tideliftはオープンソースの依存性を調べ、単一のセキュリティ、メンテナンス、法の遵守などをサブスクリプション形式で提供するベンチャー企業。The Managed Open Source Surveyは、オープンソース技術をどのように使っているのか、活用の障害、効率よく使うための戦略などを聞く年次調査で、今年で3回目。調査期間は6月で、約600人のソフトウェア開発者、DevOps担当者、エンジニア幹部などの技術者を対象に尋ねた。地域は欧州と米国が約4割、アジアが15%となっている。

 今年は新型コロナウイルス感染症(「COVID-19」)の影響にフォーカスして調べた。それによると、「新型コロナを受けてアプリケーション開発予算が削減した」と言う回答は42%、アジアに特化してみると、61%が景気動向を受けて予算が削減したと回答していると言う。

 予算削減の中でオープンソース活用は注目されており、44%が「オープンソースの利用増加を推奨する」と回答した。「アプリ開発予算が削減した」と回答したグループの60%がオープンソース利用増を推奨すると回答するなど、オープンソース活用の推奨は予算削減との相関関係が高いことも示唆している。

 経済環境が厳しい時にオープンソースを利用する理由として、「既存のオープンソースコンポーネントを使うことでコストと開発時間を削減できる」と回答した人は68%、続いて「アプリケーションの開発とメンテナンスの効率がアップする」(48%)、「ベンダーロックインの回避」(40%)などが続いた。「アプリケーションのセキュリティを強化するため」(22%)も挙がっている。

 最も使われているオープンソースのプログラミング言語(最大5言語回答)としては、「JavaScript」(78%)、「Python」(52%)、「Java」(41%)、「PHP」(23%)、「C#(.NET)」(19%)などが上位となった。中でも、JavaとPythonは大企業でよく使われているという。

 調査ではこの他、オープンソース活用にあたっての課題として、「どのコンポーネントとバージョンを使うかについて適切な決断を下す」(62%)、「コンポーネントとフレームワークをアップグレードするタイミング」(62%)、「セキュリティ脆弱性の識別・解決」(49%)などが挙がったことも報告している。

「2020 The Managed Open Source Survey」
https://www.tidelift.com/subscription/2020-managed-open-source-survey/