Linux Foundationが「Real-Time Linux(RTL)」プロジェクトを立ち上げ、米Googleがプラチナスポンサーに

 Linuxを推進する非営利団体Linux Foundationは10月5日(アイルランド時間)、最新の協業プロジェクト「Real-Time Linux(RTL) Collaborative Project」を発表した。設立メンバーとして英ARM、米Google、米Intel、米IBMらが参加、ロボットや製造業向けのリアルタイムLinuxを共同で開発する。

 標準のLinuxカーネルが一部のリアルタイム要件しか満たさないのに対し、RTLでは一定時間内に処理を行うことができるリアルタイムシステムの要件を満たすOSを開発する。具体的には、Ingo Molnar氏のRealtime PremptionパッチとThomas Gleixner氏の汎用クロックイベントレイヤーを組み合わせてPreempt RTのメインライン化を進め、Linuxデバイスドライバ、ファイルシステムなどのメインラインカーネルの機能を活用する。

 これによりロボットの制御や製造装置などのリアルタイム性が重要なシステム向けに重要なインフラを構築することを目指す。RT-Preemptパッチはすでに航空や通信、制御、製造、財務などの業界で使われているという。

 RTLプロジェクトのプラチナメンバーはGoogleで、ゴールドは米National Instruments、組み込み向け業界団体のOSADL(Open Source Automation Development Lab eG)、米Texas Instruments、シルバーに米Altera、ARM、Intel、IBMと1団体7社が参加している。「Red Hat Enterprise MRG」としてリアルタイムOSを提供する米Red Hatの名はない。

 RTLブランチのメンテナを務めてきたGleixner氏はLinux Foundationのフェローとしてこれまで以上にRTL関連作業に取り組む。このほか、Linus Torvalds氏、Greg Kroah-Hartman氏などのフェローも協力するという。

Real-Time Linux Collaborative Project
http://www.linuxfoundation.org/collaborate/workgroups/real-time