Firefoxの設定が容易になるエクステンション Configuration Mania
インストールしたエクステンションは、メニューから「ツール」→「Configuration Mania」の順にクリックすると起動する。ウィンドウには「ブラウザ」、「セキュリティ」、「HTTP ネットワーク」、「インターフェイス」、「デバッグ」の5つのタブがあり、初回は「ブラウザ」タブが開く。このウィンドウで、Firefoxの高度な内部設定を変更することができる。Mozilla Knowledge Baseを参照しながらabout:configで設定するよりも、マウスのクリックも労力も節約することができる。
about:configのページには多数のオプションが並んでおり、検索フィルターで絞り込むことはできるものの、その膨大な量に圧倒される。これに対して、Configuration Maniaではそうしたオプションの一部が使いやすい形に編成され、チェックボックス、ラジオ・ボタン、ドロップダウン・メニューで設定できるようになっている。比較的簡潔にまとめられており、折りたたみ可能なメニュー形式になっているためわかりやすい。
このエクステンションで設定できるのは、ロケーション（アドレス）バーについては自動補完動作の有無、ブラウザー・タブについてはタブを閉じるボタンの表示場所やボタンを表示するタブの範囲、タブの幅など。マウス・ホイールについては、スクロールの垂直／水平モード（装飾キーの有無も）と行／ページ・モードの切り替えのほか、ホイールを文書のスクロールではなく、閲覧履歴上の移動または文字サイズの変更に適用することもできる。この最後の設定は残念ながら三者択一で、同時に設定することはできない。
このほか、高速に閲覧するためのオプションも設定できる。パイプライン動作、プロキシ接続、複数のページを並行してダウンロードするためのサーバーへの最大接続数（デフォルトは8）などで、接続の設定は個別のサーバーにも複数のサーバーにも有効。また、ポップアップ・ウィンドウの動作をある程度制御することもできる。
しかし、「機能」の中にはわかりにくいものがある。たとえば、「セキュリティ」タブ→「JavaScript」→「詳細設定」にある「コンテキストメニューイベントの取得を無効に」や「インターフェイス」タブ→「その他」→「設定ダイアログ」セクションにある「瞬時に設定を適用（MacやGnomeのように）」など。名称を見ただけでは意味がわからず、調べようにもツールチップもなければヘルプファイルもない。
以上、Configuration Maniaで設定可能なFirefox構成オプションをいくつかあげたが、これはほんの一部。このエクステンションには、書ききれないほど多くのFirefox構成オプションがある。しかし、それでもFirefoxで設定可能な全項目には到底及ばない。このエクステンションで設定できるのは130項目。これに対して、Mozilla Knowledge Baseに説明されているabout:configの設定項目は35種類約500項目もあるのだ。
（英語版の）説明には誤字や用語の誤用（翻訳の問題か？）が散見され、解説書もない。about:configを調べたことのない人には多くの項目は初見の上、その短い説明を見ただけでは意味がわからず、Mozilla Knowledge Baseで正確な意味を調べる羽目になるだろう。これでは、何のためにこのエクステンションをインストールしたのかわからなくなる。Firefoxの設定に熟練した人なら限界はあるものの便利なツールとして使えるだろうが、Firefoxの内部設定をよく知らない初心者にとっては途方に暮れるばかりだろう。
ロケーション・バーや検索バーの大きさを変更したりアイコンや色調などを設定したりするためのタブがほしいところだ。また、ツールチップがあれば、短い説明を見ただけではわかりにくい項目の理解に多少なりとも役に立つだろう。しかし、最終的には、about:configインタフェースをOperaブラウザーのような方式に再編するのがよいと思われる。
Configuration ManiaはFirefoxの構成を簡易化するためのたたき台にはなるが、明らかに、「必携」エクステンションにはなっていない。
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