スパム広告:米ValueClickがFTCと和解 290万ドル支払い

 米連邦取引委員会(FTC)は3月17日(米国時間)、不正広告をめぐってオンライン広告の米ValueClickを訴えていた訴訟で、同社と和解したと発表した。同社と子会社が「無料プレゼント」として消費者を誘い、ローンを組ませるなどしていたというもので、ValueClickは290万ドルの和解金を支払う。

 FTCによると、ValueClickは子会社のHi-Speed Mediaを使って、メール、バナー、ポップアップなどの広告を配信。ノートパソコンやプラズマテレビなどが無料提供されると思わせて、消費者を自社のウェブサイトに誘導していた。しかし、実際に商品をもらうには、ローン契約や衛星放送の視聴契約などが必要で、多額の支出を求められるようになっていたという。

 またHi-Speed Mediaと別の子会社は、消費者の金融関連情報を保護するためデータを暗号化しているとのプライバシー方針を掲げながら、プライバシー保護対策をまったくしていないか、不十分だったという。

 和解で同社は、和解金支払いのほか、今後は広告を出す際、“無料の商品”をもらうのにかかる費用や義務を明記すること、個人情報保護について虚偽の説明をしないことなども誓約したという。

 訴訟は、スパム対策法(通称・CAN-SPAM法)に基づくもので、和解金の290万ドルは、03年に同法が施行されて以来の最高額となる。【高森 郁哉/Infostand】

FTCの発表
http://www.ftc.gov/opa/2008/03/vc.shtm