任天堂:スペシャル301条で海賊版対策 米政府に申し立て

 任天堂の米国現地法人は2月14日(現地時間)、米政府に通商法の「スペシャル301条」に基づく申し立てを行い、中国などに海賊版対策を迫ることを要請したと発表した。中国や韓国の当局が取り締まりを強化するように、外交交渉で圧力をかけてもらう。日本はかつて「スペシャル301条」で追及される側だったが、立場が変わった。

 米政府の通商代表部(USTR)は、知的所有権保護に問題がある国のブラックリストを毎年4月に決定。対象国に改善を促す努力を続けている。任天堂は、中国、韓国、ブラジル、香港、パラグアイ、メキシコを、引き続き「優先監視国」や「監視国」に指定するよう訴えた。

 任天堂によると、著作権侵害による損害額は07年だけで約9億7500万ドルに上ったという。自ら現地政府に対策を要請する一方で、通商交渉で後押ししてもらうのが狙い。

 90年代には日本が優先監視国や監視国に指定され、対応を求められたことがあった。近年はリストからはずれ、責める側に転じている。【南 優人/Infostand】

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